考える余地
企業内のイノベーション文化を培うため、IBMは9カ月前に社員向けのオンラインコミュニティ「ThinkPlace」を立ち上げた。ThinkPlaceでは、参加者がアイディアを出し合うことが奨励されている。そうしたアイディアはそれぞれ評価にかけられ、報奨が与えられたり、流用されたりするという。
Donofrio氏は、「IBMは1980年代後半に混乱状態に陥り、さまざまな改善提案を排除してしまった」と話し、同社が1990年代に入る頃に経験した低迷に言及した。IBMは1992年に49億7000万ドルもの損失を計上したが、これは当時、単年度企業損失としては米国史上最大の額だった。だが、1993年にLou Gerstner氏がCEOに任命された後は、同氏の尽力によりIBMの業績は好転した。
Donofrio氏によれば、IBMの社員はこれまでに5000件近くの提案を行っており、現在はそのうち100件が評価されているところだという。こうした提案は、製品やプロセス、サービスに関わるものだ。
またDonofrio氏は、IBMは社外でもイノベーション精神を養うことに努めていると話す。同社には、次世代技術に関して「他者との協力を真剣に考える」会というグループまで存在している。「Cell」チップを主軸とするソニーおよび東芝との提携関係なども、IBMのこうした取り組みの好例と言えるだろう。
このほかにもIBMは、Global Innovation Outlook(GIO)という組織を結成している。2004年および2005年に開かれたGIOの一連の討論会では、IBMの社員や思想的指導者ばかりでなく、世界中の学術および産業関係者が一堂に会した。
2005年のGIO 2.0には、180以上のIBMのエコシステムパートナーが世界中から参加し、中国、インド、ブラジル、スイス、米国で、1日がかりで行われた15のセッションを傍聴し、企業や交通状況、環境の未来について話し合った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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