観光用宇宙船開発に向け企業連合発足--ロシア連邦宇宙局も参加

文:Michael Kanellos(CNET News.com)
編集校正:坂和敏(編集部)
2006年02月20日 12時21分

 ロシアのロケットを使って宇宙に旅行者を送り出したSpace Adventuresが、Ansariファミリーが設立した投資会社Prodeaと手を組み、観光用の再利用可能な宇宙船の開発に乗り出すことになった。この取り組みには、ロシアの連邦宇宙局も参加し宇宙船開発の監督にあたる。

 「われわれが『X Prize』を支援したのは、民間による宇宙旅行の実現を通じて新たな宇宙産業を立ち上げるためだった」と、Prodeaの共同設立者Anousheh Ansariは声明の中で述べている。「Space Adventuresと手を組んだ理由は、同社が民間人の宇宙飛行を初めて実現させた会社であり、それによって宇宙旅行の市場が存在することを証明したこと、さらに現時点で実際に旅行者を宇宙に連れ出した唯一の会社であることだ」(Ansari)。Ansari一族が創設したX Prizeでは、民間の宇宙船開発に成功したSpaceShipOneチームに、1千万ドルの賞金を与えた。

 Space Adventuresによると、軌道外の宇宙交通システムは、すでにMyasishchev Design Bureauの手で設計されているという。「Explorer」というこの宇宙船は乗員数が最大5人で、安全なフライトを提供するだけでなく、宇宙旅行の経験を最大限楽しめるように設計されているという。

 この数年で、空は起業家や学者にとって新たなフロンティアとなりつつある。マサチューセッツ工科大学(MIT)の大学院生Carl Dietrichは先ごろ、空飛ぶ自動車のアイディアによりLemelson賞を受賞し、賞金3万ドルを手にした。この自動車はDietrichが起こしたTerrafugiaと会社で開発される予定だ。

 一方「X Prize」(高度100キロまでの飛行を2週間以内に2度達成した最初の民間ベンチャーに、1000万ドルの賞金が与えられるというコンテスト)に挑戦したRichard Bransonや他の起業家らは、宇宙観光事業を検討し始めた。一方、PayPalの創業者Elon Muskは、人工衛星を軌道に乗せるためのロケットを打ち上げるSpaceXという民間会社を興した。また類似のベンチャーとしては、より潤沢な資金を集めたSea Launchという会社もある。さらにスタンフォード大学では自力で人工衛星をつくる方法を教える授業もある。

 また、短距離のフライトやそのための飛行機を提供する新興会社も多数設立されている。Citrixの創立者Ed IacobucciはDayJetを興し、現在、地方のハブ間をオンデマンドで飛行するためにEclipse(6人乗りの小型ジェット機)を購入することを計画している。また、People Airlinesの創業者も、小型軽量のEclipseを利用する同様の企業を始めている(Eclipseの資金提供者のなかにはMicrosoft会長のBill Gatesもいる)

 さらに、日曜大工派の冒険家、Elwood "Woody" Norrisは「AirScooter」という自家用ヘリコプターを開発しており、スタンフォード大学の大学院生らもリクリエーション目的の飛行機を開発する謎の新興企業を立ち上げたと、この計画に詳しい情報筋が述べていた。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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