米地裁、スパイウェア配布元企業に対し一時差し止め命令

Dawn Kawamoto(CNET News.com)2005年11月11日 21時07分

 スパイウェアをダウンロードファイルにバンドルしてばらまいたとして、米連邦取引委員会(FTC)が提訴した企業に対し、ロサンゼルスの地裁は、事業の一時差し止め命令を下した。この件で、およそ600のブログサイトが被害を受けたという。

 FTCは米国時間10日、同地裁が、Enternet Mediaと同社の幹部であるLida Rohbani、Nima Hakimi、Baback Hakimiの3人に対し、一時的差し止め命令を下したと発表した。また同社のアソシエイトの1人であるNicholas C. Albertにも同様の命令が下された。

 FTCによると、Enternet Mediaは広範なアフィリエイトのネットワークを通じてスパイウェアをばらまいていたという。アフィリエイトの大半を占めるウェブマスターは、自身のサイト上でスパイウェア付きのファイルがダウンロードされる度に、Enternetから報酬を受け取っていた。

 それらのウェブマスターは、Enternetから提供されるインストールボックスを自分のサイトに設置する。FTCによると、これらのボックスは、音楽、携帯電話用の着信音、写真といった無料のダウンロードファイルを提供するためのものだという。訪問者がそれらのサイト上のインストールボックスをクリックすると、訪問者の知らぬ間にダウンロードファイルとともにEnternetのスパイウェアがPCに取り込まれる仕組みだ。

 FTCによると、Albertが運営するIWebtunesと呼ばれるサイトでは、およそ600人のブロガーが同サイトから音楽をダウンロードし、自分のサイトに掲載したという。その結果、それらのブログサイト上にインストールボックスが出現し、ブログサイトが次々とスパイウェアの配布元になった。

 FTCによると、PCに取り込まれたEnternet Mediaのスパイウェアは、ユーザーのインターネット上の行動の追跡、PCの起動時に優先的に開くホームページの設定の変更、ブラウザへの新たなツールバーの組み込み、多くの「ポップアップ」広告の表示を行っていたという。

 さらに、このスパイウェアは一度PCにインストールされると、削除やアンインストールが非常に難しい。FTCは、Google、Microsoft、Webrootの3社が捜査に協力したと発表したが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。

 FTCによると、カリフォルニア州ウッドランドヒルズに拠点を置くEnternetとその幹部らは、様々な名前で事業を行っていたという。同社自体は、Searchmiracle.com、c4tdownload.com、cash4toolbar.comなどのサイトを運営し、AlbertはIWebtunes.comと呼ばれるサイトを運営していたという。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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