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ソニー出井氏、「ちょっと寂しい気もする」--代表交代の会見にて
ソニーは3月7日、同社取締役 代表執行役会長 兼 グループCEOの出井伸之氏と、取締役 代表執行役社長の安藤国威氏が6月22日付けで退任することに伴い、記者会見を開催した。同社の新代表執行役会長 兼 グループCEOにはハワード・ストリンガー氏が、新代表執行役 社長 兼 エレクトロニクスCEOには中鉢良治氏が、新代表執行役 副社長 兼グループCFOには井原勝美氏が就任することが決まっている。
新体制への移行について出井氏は、「我々(出井氏と安藤氏)から取締役会に提案して、本日了承された」と話し、解任ではないことを強調した。しかし、2003年に発表した、2006年度までに営業利益率10%を目指すという中期経営計画「トランスフォーメーション60」の遂行完了を待たずして会長の座を降りることには「ちょっと寂しい気もする」と本音をのぞかせた。
![]() 左から社長退任予定の安藤国威氏、会長退任予定の出井伸之氏、新社長の中鉢良治氏、新会長のハワード・ストリンガー氏、新グループCFOの井原勝美氏 |
ストリンガー氏は1942年生まれの63歳。米CBSを経て1997年に米Sony Corporation of Americaの社長に迎え入れられた。その後、Sony of Canada会長兼CEO(現職)、米Sony Electronics会長(現職)、Sony Pictures Entertainment会長、Sony Corporation of America会長兼CEO(現職)、Sony Broadband Entertainmentプレジデント(現職)などを歴任。現在はソニーのエンタテインメントビジネスグループCOOも務めるなど、コンテンツ戦略の中枢にいる。最近では映画会社米Metro-Goldwyn-Mayer(MGM)の買収を取りまとめた実績がある。
「大変異色な人材だが、自由闊達(かったつ)なソニーのDNAを受け継いでくれるだろう。エンターテインメントとエレクトロニクスの融合には自由奔放な雰囲気が欠かせない。(ストリンガー氏が以前いた)CBSとソニーは似ている一面があり、ソニーを束ねるにはふさわしい人物だ」(出井氏)
中鉢氏は1947年生まれの56才で、1977年にソニーに入社した。記録媒体事業に長年携わっており、コアテクノロジー&ネットワークカンパニープレジデント、マイクロシステムズネットワークカンパニー NCプレジデントなどを歴任し、現在はマイクロシステムズネットワークカンパニー、イーエムシーエス担当COOや生産戦略本部長も務めている。出井氏は「エレクトロニクスから育った純粋なエンジニアだ。現場が一丸となるには最適な人物」と評する。
経営においてはストリンガー氏がコンテンツ事業を、中鉢氏がエレクトロニクス事業を主に担当すると見られる。
次期社長候補としては久夛良木健氏の名前も一部で取りざたされていたが、出井氏は「久夛良木氏と中鉢氏を比較することはできないが、中鉢氏はよく周囲の声を聞いたうえで適切な時期に適切な決断ができる人物だ。周囲の声を聞くということが、エレクトロニクス事業の若い人たちを活性化させるうえで最も必要なことだと判断した」と述べた。
「メーカーとして当然の営みがゆるんでいる」
今後の抱負についてストリンガー氏は、「最強のエンターテインメント/エレクトロニクス企業になるように、変化を恐れず世界の全地域でトップを目指す」と発言。具体的には顧客中心の製品作りを進めるとともに、エンターテインメント事業部とエレクトロニクス事業部が共有できるビジョンの策定が欠かせないとした。
中鉢氏は現在ソニーが苦境に立たされているという認識を示したうえで、「エレクトロニクスの復活なくしてソニーの復活はない。再び夢と感動を与えるソニーを復活させたい」とした。
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