日立製作所の03年度連結決算、電子デバイス好調で売上高が過去最高に

 日立製作所(庄山悦彦社長)が4月28日発表した04年3月期の連結決算は、売上高が前年度比5%増の8兆6324億円で2期連続の増収となり、過去最高を更新した。デジタル家電関連の電子デバイスやエレクトロニクス関連の高機能材料などが好調に推移した。

 営業利益は同21%増の1848億円、税引前純利益は同145%増の2371億円、当期純利益は子会社再編による法人税負担などが響き、同43%減の158億円にとどまった。年間配当は8円で前年度より2円増やす。

 電子デバイスは、半導体事業を昨年4月に三菱電機との合弁会社であるルネサス テクノロジに大半を移管した結果、売上高が前年度比16%減ったものの、携帯電話や平面テレビ向けTFT(薄膜トランジスタ)液晶が好調で、営業損益が304億円の黒字(前年度は232億円の赤字)と大幅に回復。

 高機能材料は、日立化成工業と日立金属の両社がエレクトロニクス関連製品を中心に伸ばし、営業利益が同156%増の467億円となった。

 情報通信システムは、ソフトウェアサービスのアウトソーシングを中心に堅調に推移。売上高は前年度比22%増の2兆3145億円と大幅に伸ばしたものの、ハードウェアがIBMから買収して設立した日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)が営業損失約100億円を計上した影響で、営業利益が同37%減の699億円となった。

 情報システムについて、八丁地隆・執行役専務は、「日立GSTは昨年末から、ハードディスクドライブの改善が見られ、04年度の営業利益は約200億円に回復する見込み」と述べ、情報通信システムの04年度通期の営業利益を前年度比25%増と見込んでいる。

 04年度(05年3月期)の連結業績予想は、「国内のIT投資や輸出が堅調に推移する」(八丁地専務)として、売上高が前年度比2%増の8兆8000億円、営業利益が同62%増の3000億円、税引前利益が同18%増の2800億円、当期純利益が同6倍強増の1000億円を見込んでいる。04年度の売上高見通しは、同日松下電器産業が発表した04年度(05年3月期)の連結売上高予想と同額となった。

日立製作所

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]