本当に戦争は終わるのか?--サンとマイクロソフトが停戦合意 - (page 2)

Mike Ricciuti and Martin LaMonica2004年04月05日 20時07分

 McNealyは長年、Microsoftのほとんど全ての製品やイニシアチブを攻撃対象とし、数々の批判を行ってきた。例えば、Microsoftのメールソフト「Outlook」については、「インターネット上の(ウイルスだらけの)えり抜きのペトリ皿だ」として、「Look Out(注意しろ)」という名にすべきだと語った。またMicrosoftのウェブホスティング用ソフト「Internet Information Server(IIS)」は「ウェブサーバのCorvair、つまりどんな速度でも安全でない自動車といっしょだ」と述べた。また企業ネットワーク上に存在するサーバやクライアントといった要素を一元管理する際に使用されるActive Directoryは、決して結び目がほどけないMicrosoft製ソフト製品の『毛玉』の中心にある「がんじがらめのディレクトリ("captive directory")」と切り捨てた。さらにMicrosoftの「.Net」開発戦略については、「.Not(だめ)」や「Not Yet(まだまだ)」などとからかい、時に「.Nut(変わり者)」と皮肉った。

 またMcNealyは、全てのWindows OSにバンドルされているMicrosoft製ブラウザ「Internet Explorer」に代わる代替製品のサポートを各開発者に促すために、「(Internet Explorerは)言わば暗黒界からの贈り物だ。ヘロインも最初の1回は無料だ」と語った。

 McNealyはしばしば、軍隊調の言い方でソフト開発者らにMicrosoftとの戦いへの参加を呼びかけた。以下は、McNealyが2002年に行った発言だ。「銃剣の修理は終わった。我々はどんなに暗く湿っぽい洞窟でも入っていく。また(新たな開発者を勝ち取るためのMicrosoftに対する)空中戦では、単に開発者たちが暗黒界(であるMicrosoft)に転がり落ちるのを阻止するだけでなく、いかなる開発者も追い求めていく。」

 Microsoft会長のBill Gatesが1998年に新戦略を発表した際も、McNealyは「Microsoftは『デジタル神経系』について語っている。私のシステムが同社の技術で構築されていたら、私自身も神経がおかしくなってしまうだろう」と皮肉を述べた。

 McNealyの皮肉めいた発言には、Microsoftの事業に対する同氏の不承不承の敬意、あるいは妬みがこめられていた。かつてMcNealyは「Microsoftは優れた戦略を持っており、それがきちんと機能している。Bill(Gates)が車を30台収容可能なガレージを持っているのには、それなりの理由がある」と述べた。

 Microsoftは言葉のレトリックよりも強硬なビジネス戦術で勝負してきた。しかし、かつてGatesは、両社の哲学が対極にあることを明らかにした。GatesはCNET News.com が2001年に行ったインタビューの中で「(Microsoftの)ライバル企業として、Sun以上に純粋なライバルはいない。Sunは高価なハードウェアを信奉している。同社はソフトの研究開発に資金を投じるべきではないと考えている。同社は知識労働者に権限を与えるのは得策ではないと考えている」と語ったことがある。

 しかし、GatesはまたJavaの人気の高まりに不安を感じていた。法廷闘争のさなかに公開された電子メールのなかで、GatesはJavaのせいでWindowsに対する皆の依存度が下がってしまうと考えると「怖くて仕方がない」と感じていたことを認めている。結局、MicrosoftはJavaのライセンスを取得し、開発ツールに手を加えて、Windowsでしか動かないJavaをつくり出したが、これが自社に対するSunからの訴訟につながってしまった。Microsoftはその後この戦略をあきらめ、自社版のJavaに似た言語である「C#」を開発した。

 Microsoftは、SunがWebサービス技術策定へ関与することを制限すべく、舞台裏でさまざまな動きを見せていたが、2002年にこのことが明るみに出てしまった。Web Services Interoperability(WS-I) organizationという団体が、業界内での協調を促すために結成された際に、MicrosoftはSunを立ち上げメンバーから排除するよう名指しで要請したことが、両社の法廷闘争の間に発見された電子メールのなかに記されていた。「我々に有利な立場が得られるなら、私はこれを我慢できる。とりわけ、Sunを主要メンバーから外してもらえるなら非常に助かる」(Gates)

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