最終更新時刻:2009年11月11日(水) 20時34分

モバイルチャンネル

関西企業“宝の山”発掘 商機狙いレアメタル回収が活発化

FujiSankei Business i.

2008/09/12 11:01  

 ごみの山を宝の山に−。中国やインドなど新興国の急速な経済成長に伴って資源の獲得競争が激化する中、デジタル家電に欠かせないレアメタル(希少金属)や貴金属を廃棄物から回収し、ビジネスにつなげようと、関西企業が動きだした。

 粉々に破砕した液晶パネルを銀色の円筒形タンクに投入し、塩酸が主成分の溶解液を注入。タンクを回転させ、金属が溶け出したところを特殊な樹脂に吸着させて回収する。ベンチャー企業アクアテック(大阪市此花区)とシャープが進めるインジウムのリサイクル実証実験だ。

回収されたテレビのリサイクル作業 回収されたテレビのリサイクル作業

 インジウムは薄型テレビや携帯電話、パソコンの液晶画面に使われる透明電極に不可欠の材料で、約6割を中国からの輸入に依存。供給が途絶えた場合、電子機器の生産に支障が出るリスクがあり、投機資金の流入で価格も乱高下しやすいなど不安がつきまとう。

 アクアテックの大西彬聰社長は「金属は基本的に何度でもリサイクルが可能。回収して再利用する仕組みさえつくれば、資源不足はかなり緩和される」と力を込める。

 「日本は世界有数の資源保有国」。独立行政法人の物質・材料研究機構(茨城県つくば市)は今年1月、部品や製品などに含まれる形で国内に蓄積されている各種金属が、資源国の確認埋蔵量に匹敵するとの驚くべき調査結果を発表した。

 同機構によると、世界の埋蔵量に対する国内の蓄積量はインジウムが約15%、金、銀が16〜22%、半導体や電子部品などに使われるアンチモンが約19%に上る。蓄積量を埋蔵量と見なした場合、日本が世界の5位以内に入る金属が多数ある。

 これらは大半が廃棄物などの形で都市部に蓄積され、活用されずに眠った状態であるため、「都市鉱山」とも呼ばれる。

 いち早く着目し、ビジネス展開したのは1986年創業のTMC(大阪府東大阪市)。社名は「町の鉱山(town mining)」にちなんで付けた。

 TMCは、電子部品を製造する際の金属くずや、交換されて不要となった航空部品を回収してチタンやコバルトなどを取り出して販売。世界的な金属価格の高騰を追い風に、売上高は98億円と最近5年間でほぼ4倍増となった。

 「電機関連企業が集積する関西地方は金属を回収、販売する上で非常に有利だ」と田中一誠社長。今後は、ガソリン高を背景に普及が進むハイブリッド車用のニッケル水素電池に含まれる金属の回収に、本格的に取り組みたいという。

 ユニークな技術でリサイクルビジネスへの参入をうかがう動きもある。汚水処理や健康食品などを手掛ける日本ポリグル(大阪市中央区)は、納豆に含まれるポリグルタミン酸の性質を利用した浄化剤を開発。工場排水からインジウム、リチウムを取り出すことが可能で、1年後の実用化を目指している。

日本国内に蓄積されている主な金属

CNET_ID

メンバー限定サービスをご利用いただく場合、このページの上部からログイン、またはCNET_ID登録(無料)をしてください。