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FujiSankei Business i.
2008/09/04 11:07
通信業界と総務省が最大課題として推進する“日の丸技術”の国際標準化プロジェクトが本格的に動きだした。ハード面、ソフト面で国際競争力の低迷が目立つ日本の通信関連業界が海外市場に打って出るには日本の技術の国際標準化が不可欠と判断、第4世代携帯電話(4G)規格をはじめ次世代通信規格を中心に外国政府、業界、標準化団体への働きかけを強化していく。
≪推進団体を設立≫
本命は4Gだ。毎秒1ギガビットもの超高速通信を実現する規格で、国際電気通信連合(ITU)は来年2〜10月に技術提案を募集し、2011年に規格化を終える方針を示している。
開発ではNTTドコモが世界的に先行しているとされるが、実際に国際標準規格へどれだけ盛り込めるかが焦点。このため今春に東京で日中韓の官民を集めた国際会議を開いたのを手始めに、秋からは通信業界と総務省で世界各国を味方につけるロビー活動を本格化させる。
次に狙い目となっているのは、インターネット・プロトコル(IP)を用いた映像配信技術「IPTV」だ。
今年4月にNTT、KDDI、ソフトバンクBBなど通信会社、ソニー、シャープ、日立製作所などのテレビメーカー、それにNHKと民放各局が、統一仕様を目指して推進団体を設立。国際標準への“格上げ”も狙い、政府と共同でITUへ働きかけていく。
≪CO2削減効果≫
IT活用による二酸化炭素(CO2)削減技術も、日本らしさで世界に影響力を強められると期待される。試算によると、電子商取引の活性化や新聞・書籍の電子化、在宅勤務やテレビ会議などが普及すれば、国内の12年度のCO2排出量は1990年度比で6800万トン削減される。地球温暖化防止は国際政治の主要テーマ。ITUでは今後、日本の総務省の提案を受け、生産や物流現場にIT導入を促進してCO2排出量削減を目指す専門部会の議論が始まる。
携帯電話に非接触ICカード技術「フェリカ」を搭載して電子マネーを利用可能にする「おサイフケータイ」は、日本の携帯利用者にとって当たり前の機能だが、普及はまだ日本だけ。海外ではフェリカ単独の採用事例は増えているものの、携帯への搭載は実現していない。おサイフケータイの導入が進めば、日本メーカー製の携帯端末や部品の販路拡大につながる。
このほか、カーナビに活用されるFM多重放送システム「VICS」、防災無線システム、次世代PHS−なども、国際化を狙える日本の独自技術や得意分野だ。総務省はこうした技術を「戦略的ワイヤレスシステム」と位置づけており、9月には国際展開を図る官民推進体制を構築。アクションプラン(行動計画)策定やミッション(訪問団)派遣などに乗り出す。
すでに成果もではじめており、電気通信分野の業界団体らが8月に技術開発センターを設立。今秋にはITUなどの国際標準化機関へ日本の技術を売り込むた技術者・専門家を育成するため、大学院へ政府高官を派遣して特別講座を開講する。
日本の次世代技術がどこまで普及するかは未知数の部分も多く、第3世代携帯(3G)でも“標準規格”の名のもとに複数の規格が存在することになった。次世代技術の国際標準が策定されても、市場に浸透するには数年から10数年を要する。日本の企業・業界が未来を見据え、息の長い取り組みを続けられるかどうかが課題となりそうだ。(上野嘉之)
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