最終更新時刻:2009年7月4日(土) 10時00分

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携帯事業者が相次ぎ次世代サービス 行動履歴分析し情報提供

FujiSankei Business i.

2007/11/14 10:36  

 携帯電話事業者各社が、携帯電話経由で集めた利用者の行動履歴などを参考にした次世代サービスの開発を急いでいる。情報を分析して生活に役立つサービスを利用者に提供するだけでなく、集めた情報を他の企業や公共機関とも共有し、新たな事業につなげる計画だ。海外のネット企業が国境を越えて個人情報を集める動きを強めており、日本政府も国内事業者の開発を積極支援する構えだ。

 NTTドコモが経済産業省の産業振興策「情報大航海プロジェクト」のもとで開発を進める「マイ・ライフ・アシストサービス」は、携帯電話経由で個人の属性やネットアクセス履歴、移動情報、さらには声の抑揚までを収集・分析し、ユーザーが“潜在的に求める”情報やサービスを提供するという。

 例えば、いつもより早めに帰宅したサラリーマンには、帰り道で奥さんに気の利いたプレゼントを購入できる店舗を紹介。ユーザーが携帯電話でよく聞く楽曲があれば、その曲が流れるドラマのロケ地への旅行を勧めたりする。多くの人が集まる場所で怒った声で会話をする人が多ければ、そこで何らかの問題が発生していることなども推察、それに対応した情報を提供する。

 ドコモは情報を収集・分析し、利用者の許諾を得て情報の分析結果を他の事業者に有償で提供する。ドコモは、情報を公共交通機関などに提供すれば「渋滞の解消や災害時の誘導にも使える」(佐藤一夫・モバイルデザイン推進室担当部長)とみており、2010年度にもサービスを商用化したい考えだ。

 KDDIも、携帯端末を使った生活支援サービスの研究を進めている。KDDI研究所(埼玉県ふじみ野市)は、03年から総務省の産業支援策のもとで「ケータイ版ライフログ」と呼ぶ技術開発プロジェクトを推進。携帯電話端末に搭載されたGPS(衛星利用測位システム)やカメラ、バーコードリーダーなどを使い、利用者が自身の生活情報を記録し、そのデータをサーバーで集める。ユーザー自身が日記代わりに使ったり、一定量を公開して他のユーザーと交流したりする。また、ドコモと同様に、蓄積されたデータを分析し、商用サービスの提供などにもつなげる考えだ。

 こうした新技術開発を経産省が支援する背景には「米グーグルのような企業が検索エンジンなどを使い、日本を含む各国の人々の情報を集め、ビジネスにつなげていることへの危機感がある」と、ドコモの佐藤氏は指摘する。またグーグルなどに対抗する同様の国家プロジェクトが各国で展開されており、日本は立ち遅れているとの懸念があるというわけだ。

 ただ、個人情報を活用するサービスだけに、プライバシー侵害などの問題を引き起こす危険性が常につきまとう。このためKDDI研究所では「利用者がサービスに活用されることを認識し、積極的に提供された情報を極力活用する」(大橋正良執行役員)考えで、「利用者の同意を得ることで、結果的にはユーザーにも企業にも有益な情報が集まる」(同)とみている。

 利用者の同意を得ながらの情報収集には多くの労力を要するが、次世代サービスの普及のカギを握っているようだ。(黒川信雄)

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