iPhone 7/7 Plusを使い比べる--選ぶポイントは画面サイズかカメラ性能か - (page 3)

日本向けに始まるApple Pay

　Appleはモバイル決済サービスApple Payを2016年10月に開始すると告知した。iPhone 7、iPhone 7 Plusはもちろんのこと、Apple Watch Series 2でも利用できる。

　10月以降のアップデートで日本向けのApple Payが開始された後、iPhone 7とSuicaカードを重ねてApple Payに登録すると、Suicaカードの情報、つまりチャージ金額やデポジット500円分、そして定期券などがiPhone 7のFeliCaカードに移る。

日本向けにApple Payの機能も拡充

　あとは、iPhoneだけで、Suicaカードと同じように、改札を通ったりコンビニで買い物をしたりできるようになる。また、配信されるSuicaアプリからは、Suicaとは別にApple Payに登録したクレジットカードを用いたチャージや、特急券、定期券、新幹線特急券などの購入も可能だ。

　なくした際の使用停止と、新たなiPhoneの残額の読み込みなどにも対応する。プラスチックのカードよりも新しい価値をもたらしてくれるよう、AppleとJR東日本は取り組んできたという。

　Suicaの他にも、オンラインで利用できるクレジットカードを登録すれば、iDもしくはQUICPayを利用して、コンビニやタクシーなどでクレジットカード決済を利用できるようになる。

　おサイフケータイは、フィーチャーフォンの時代にすでに実現していたが、日本で最も人気のあるスマートフォンであるiPhoneでは対応せず、耐水性能がなかったことが、iPhoneを避ける理由の1つになっていた人もいるはずだ。耐水とFeliCaのサポートは、ほぼ唯一の成長市場である日本での買い替え需要を喚起する重要な一手、と考えられる。

選択するなら、カメラ性能か画面サイズか

　さて、ここまではiPhone 7、iPhone 7 Plusで共通の項目だ。そのほかにも、パフォーマンス2コア、省電力2コアの4コア化されたA10 Fusionプロセッサや耐水性能などを備え、手堅い進化を遂げている。こうした2つのデバイスをどのように選ぶか、が問題だ。ポイントは画面サイズとカメラになる。

注目のカメラ性能

　iPhone 6 Plus、iPhone 6s Plusを使ってきたユーザーにとっては、画面サイズが小さい方が手に馴染むという人以外は、引き続き画面サイズが大きな5.5インチのiPhone 7 Plusを選択する人が多いのではないだろうか。

　万一、サイズダウンする場合でも、iPhone 6s Plusに搭載された写真と動画で利用できる光学手ぶれ補正機能はiPhone 7にも搭載されている。

　悩ましいのは、これまで4.7インチサイズを利用してきたユーザーだ。iPhone 7は前述の通り、光学手ぶれ補正機能を採用し、さらにカメラは1200万画素で据え置きながらf1.8と明るいレンズを搭載している。特に暗い場所での撮影や、ビデオ撮影の品質が高くなることを簡単に体験できるはずだ。

　他方、5.5インチモデルには2つのカメラが搭載された。28mm相当/f1.8のカメラに加えて56mm相当/f2.8の望遠レンズが搭載され、タップ1つで切り替えられるようになった。

　これまでもズームには対応していたが、デジタルズームの画像劣化を避けることができ、またAppleやサードパーティーから2つのカメラを利用した多彩な撮影機能の追加を期待できる。

　このカメラで5日間写真を撮ってきたが、手振れもなく、画像の劣化もなく、簡単に広角と望遠のレンズを使い分けられる撮影体験は、一眼レフカメラを扱っているような楽しさがあった。もちろん撮影の幅も広がり、今まで撮影後にトリミングしていたような小さな被写体の撮影も、撮ったまま共有できるようになる。この撮影機能は、ディスプレイの拡大とセットだ。そのため、4.7インチモデルを使ってきたユーザーは、より手に馴染むサイズをとるか、カメラをとるかという難しい選択を迫られることになるだろう。

　4.7インチモデルのiPhone 7については、カメラ部分のデザインの美しさがある。iPhone 7の真円のレンズの方が、iPhone 7 Plusの横長のカメラ部分に比べてシンプルで、バランスが良く、均整がとれていると感じた。レンズ部分の出っ張りは今回もあるが、個人的にはiPhone 7のカメラ部分のデザインの方が好みだ。

出っ張りの少ないiPhone 7のカメラ