「Gmailへの攻撃成功率は92%」--スマホアプリの新たな脆弱性を研究者が発表

Charlie Osborne (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2014年08月25日 13時00分

 「Gmail」などの一般的なサービスを標的にした攻撃を可能にする脆弱性が、「Android」や「Windows」「iOS」といったさまざまなOS上に存在すると考えられると米国の研究者らが発表した。

 カリフォルニア大学リバーサイド校のセキュリティ専門家と、ミシガン大学のセキュリティ専門家が、上述したOSすべてに存在すると考えられる脆弱性を発見した。この脆弱性によって、サイバー攻撃者は悪意のあるアプリケーション経由で機密データを盗むことが可能になる。

 この脆弱性はAndroidスマートフォンを用いて実証された。しかし研究者らは、アプリケーションからモバイル端末の共有メモリにアクセスできるという類似の機能はOSそれぞれに搭載されているため、どのようなプラットフォーム上でも当該手法を利用できると主張している。

 この攻撃は、一見すると無害なアプリをユーザーにダウンロードさせることで可能になる。このようなアプリをインストールすると、今回新たに発見された脆弱性を用いたサイドチャネル攻撃が可能になる。その脆弱性とは、アプリに権限を設定したり、承認することなくプロセスの共有メモリにアクセスできるという機能に端を発するものだ。

 共有メモリ内部の変化を監視すると、こういった変化と、同研究者らが「アクティビティ遷移イベント」と呼ぶものとの間に相関関係があることが分かったのだ。言い換えれば、ユーザーがアプリを利用する際の、例えばGmailにログインしたり、Chase Bankアプリを使用した小切手のオンライン入金のために小切手の写真を撮影したりする際の、アクティビティの変化が把握できる。

 この攻撃は2段階に分けられる。まず、攻撃はリアルタイムで、例えばユーザーがGmailにログインするタイミングで行われる必要がある。次に、ユーザーに悟られないようにするために、タイミングを見計らったハッキングが必要となる。

 この脆弱性を突く手法の成功率は、対象となった7つのアプリうちの6つで「82%から92%」だったという。

 Gmailに対する攻撃の成功率は92%であり、税務申告アプリ「H&R Block」の成功率も同じであった。

 成功率が著しく低かったのはAmazonのアプリだけであり、48%だった。このアプリでは、あるアクティビティから別のアクティビティへの遷移がシームレスに行われるため、タイミングを見計らった攻撃が難しく、アクティビティの予測もより困難だったのである。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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