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着うたがどうやって生まれたか、知っていますか - (page 2)
なぜPC向けは失敗し、着うたは成功したのか
着うたが成功した要因はどこにあったのか。今野氏は、「着うたという名前が良かった」とした上で、3つのポイントを挙げた。
1つめは、「レーベルゲートがあったから」(今野氏)。ここには2つの意味がある。1つは、ライバルであるはずのレコード会社同士が集まって協力する体制がすでに整っていたということ。もう1つは、PC向け音楽配信での失敗を生かしたということだ。
レーベルモバイルが開始した着うたサイト「レコード会社直営♪サウンド」(レコ直♪)では、エイベックスやソニー・ミュージックエンタテインメント、東芝EMIなど多くの企業が楽曲を配信していた。「浜崎あゆみもCHEMISTRYも宇多田ヒカルも、一度に買えた」(今野氏)。また、発売したばかりの新曲が多く並び、1曲100円程度で購入できた。いずれも、PCサービスでは実現できていなかったことだ。
2つめのポイントは、インフラ面での手軽さだ。代金は携帯電話の月額料金と一緒に請求されるため、インターネットでクレジットカードの番号を入力することに抵抗がある人や、クレジットカードを持っていない学生でも気軽に利用できた。また、専用の音楽再生ソフトをインストールする必要もなく、ダウンロードして再生ボタンを押せばすぐに音楽が楽しめた。
3つめは、タイミングだ。当時はJ-フォン(現:ソフトバンクモバイル)の「写メール」が大ヒットしており、auと激しいシェア争いを繰り広げていた。これに対抗するため、auは3Gへの移行に社運を賭けていた。3Gだからこそ楽しめる魅力的な大容量コンテンツとして、着うたはKDDIの全面バックアップを得たのだ。KDDIは着うたサービスを他社にさきがけて提供することで、「音楽に強いau」というイメージを固めていった。
ダウンロード数は1社で1カ月2000万件に
その後、2004年11月には楽曲を1曲丸ごと配信する「着うたフル」サービスが開始された。モバイル・コンテンツ・フォーラムの調査によれば、2007年の着うた、着うたフル市場規模は合計で1074億円。モバイルコンテンツ市場の中で、最も大きな存在となった。
レーベルモバイル単体でも、サービス開始から5年10カ月で着うた、着うたフルの累計ダウンロード数が10億件を突破。現在では、1カ月に2000万件から2500万件のダウンロードがあるという。着うたと着うたフルのダウンロード数の比率は、現在では半々とのことだ。
着うたの課題は、ユーザー層の広がりだ。日本レコード協会の調査によれば、着うたの利用経験率は高校生から20代社会人までの間で50%を超える一方、30代より上の層ではまだまだ少ない。
今野氏はSMEからソニー・ミュージックネットワーク、レーベルゲートを経て、2008年1月にレーベルモバイルに入社。4月からは同社の代表執行役社長を務めている。着うた市場のさらなる拡大は、今野氏に課せられた使命でもあるのだ。
同社は着うたサービスが開始された12月3日を「着うたの日」と定め、日本記念日協会にも登録した。着うたで人気のアーティストを呼んだライブを開催するほか、着うたを友人に送れる「うたギフト」のプロモーションなどを通じて、新たな需要喚起を図る考えだ。また、電子コミックやメール素材コンテンツなども取り扱い、着うたとセットで販売することで市場を拡大していく考えだとした。
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