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「日本のインターネットの父」と「iモードの父」が語る、ネットの有害情報問題
7月17日に開催されたインターネットコンテンツ審査監視機構(I-ROI)の設立シンポジウムには、記念講演として「日本のインターネットの父」と称される慶應義塾常任理事の村井純氏や、iモードの育ての親である慶応義塾大学特別招聘教授の夏野剛氏らが登壇。それぞれの立場から、現在のインターネットと有害情報の論議に関して意見を述べた。
日本のインターネットの父として知られる村井氏は、デバイスの進化によるコンテンツの変化を指摘し、それに対応するには統計や分析が必要と説いた村井氏は、新しいデバイスの登場でコンテンツの概念が変化し、情報流通の善悪を判断するのが難しくなっていると現状を分析した。例えばブログで災害救助の現場情報を公開することについて注目が集まっているが、災害対策本部は二次災害が起こらないよう、現地に助けに行かないよう訴えているという。こうした現状において、何が有害で何が危険かというのを判断するのは、もはや「研究レベルに近い」(村井氏)との見解だ。
特にインターネットの世界においては「便利なこと、使ってみることが先で、観察や分析は遅れている」(村井氏)とのこと。その中でも、日本はインターネットインフラが普及していることからそうした観察や分析が多くなされており、他国に先回りして議論できる環境にあるとした。
iモードの育ての親である夏野氏は、「教育再生懇談会の人はネットを見た上で議論すべきだ」と話し、現場感のない議論に疑問を呈した一方の夏野氏は携帯電話のフィルタリング問題に触れた。2007年11月の総務省要請から始まった一連の騒動を「一言で言うと『ザ・混乱』」と表現し、規制ばかりが強化される現状を批判。「過激な情報は(PCの)インターネットの方が多いが、フィルタリングの議論はケータイばかりに集中し、インターネット全体にどうするかという議論がない」と苦言を呈し、インターネット全体を視野に入れた取り組みの必要性を訴えた。
また夏野氏は、自ら教壇に立った経験から「物心ついたときにインターネットが存在するという、大人から見れば全く違う人種」である若者への理解を大人たちに求めると共に、「子どもに面倒を押しつけることだけ議論されているが、実際に携帯電話の世界で悪さをしているのは大人、オヤジである」として、むしろ犯罪をする大人の側に対する罰則を強化すべきとの考えを示した。
「インターネットは本来楽しいもの」
シンポジウムでは他に、慶應義塾大学大学院教授の中村伊知哉氏や、ヤフーの法務本部マネージャーである吉田奨氏も講演した。
中村氏は「ここ数年、青少年とインターネットの話をすると多くの人が渋い表情になる」と、危険性ばかりが取り上げられたことでインターネットは青少年に悪いものだという認識が広まっている現状を憂い、さらに青少年ネット規制法が短期間のうちに成立したことに懸念の意を示した。
中村氏はこれまでインターネットや携帯電話を活用した青少年への教育に取り組んできた。青少年のインターネットに関するアンケートを見ても、「ケータイを嫌で使っている人はいない。インターネットは本来楽しくてためになるもの」という。子どもよりむしろ、リテラシー教育を受けている人が少ない親の方こそネットを利用し、理解すべきであると説いた。
吉田氏は、ヤフーとの有害情報に対する取り組みを説明。犯罪行為や自殺発言などに対し、早い時期から社内で議論を続け、有識者や警察などと協力体制を敷いているとした。自社での活動を通じ、重要となるのは、色々な人の意見を受けて議論し、対策の効果を検証していくことであると感じているという。
青少年ネット規制法については、「ここは中国かと思うような議論になっている」と懸念を示す一方で、「いい面もあれば悪い面もあるので、現状分析と副作用の検証が必要だ」との認識を示した。
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