ウェブブラウジングには付属の「NetFront v3.1」を使う。画面サイズは640×480ドットだから、キーボードを開き、液晶を横長に見るインプットスタイルなら、多くのサイトでページの幅のほぼ全体を見ることができる。メールもPCと同じような操作で設定、受信ができる。PCで以前取得していたMicrosoft Outlookのメールも取り込みたいなら、「Intellisync」を使うことでスケジュールやアドレス帳データとともに、データ取得する。
ネットワーク設定画面は分かりやすく、特にPHS、無線LANなどのカードを使ってネットワーク接続する場合、「設定アシスト」で簡単に設定が可能だ。PCを母艦としての連携を必須としなくてもネットへ接続でき、使いこなせるザウルスならではの明解さと言えよう。それゆえに、欲を言えば無線LAN機能については、内蔵で提供してほしかったところだ。
モバイルでの利用では懸念材料のひとつである電池の駆動時間については、バックライトの明るさを常に最高にして、「Movie Player」で本体に保存されたMPEG4データを連続的に再生した場合で約3時間、と説明書にある。
実際、約1時間の通勤の往復で、「電子ブックビューア」、「カレンダー」、「アドレス帳」、「マルチメディア辞書」、ゲームなどを使用し、たまにメールを取得したりウェブアクセスしたりするだけなら、電池は1/4ほどしか減らなかった。また、液晶の明るさは室内では全く問題がないが、晴れた昼間にアウトドアで見るのはやはり多少つらいだろう。
初めて箱からSL-C3000を取り出して手に持ってみた時の感想は、「ちょっと重いし分厚いかも」というものだった。約298gと従来機種である「SL-C860」に比べても多少大きく重くなっており、携帯電話やPalm OS搭載のCLIEなどを普段扱っていると、より一層その存在感に圧倒される。
ただ、液晶面を外側に向けたビュースタイルで、左手に持った時のボタンの位置などはよく考えられており、女性の手でもしっくりくる操作感である。
一方インプットスタイルでは、液晶部分が開きすぎ、キーボードを両手の親指で打とうとするとボディをささげ持つような格好になるのが気になった。もう少し手前の位置でも角度をロックできれば使いやすいのにと思ってしまった。
キーボードの感触は固めでしっかりしたクリック感がある。個人的には好みのキーだが、固すぎると感じる人もいるかもしれない。 特筆すべき点として、メニュー画面でも、アプリケーションの中でも、文字がきれいで読みやすいことがあげられる。さすが液晶とフォントの美しさに定評のあるシャープならではと言えよう。「電子ブックビューア」を使って、サンプルの小説を電車で読んでみたが、少し厚めの文庫本を読むような感覚で、ページを繰る必要がない分、読みやすかった。
総じて「コレ1台で何でもできる!」方向性が強く出ているザウルス SL-C3000。今回のレビューでは試用時間が短かったこともあって、アレもコレももっとじっくり試したかったところ。うまく付き合えばノートPCと同じようなパフォーマンスを発揮できるのではないかと、PDAの新しい可能性を感じさせられた。
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