心地よい世界観を最大限に発揮しているケータイ、MEDIA SKIN。しかしこのケータイが注目されるもう1つの理由は、とても刺激的な体験によって語ることができる。
MEDIA SKINが世界初として注目されているのは、有機ELディスプレイがメインディスプレイとして採用された初めての端末であるからだ。これでも有機ELディスプレイは、ケータイのサブディスプレイとして採用されてきた。これらはモノクロであったり、サイズが小さかったりしていたのを記憶している。
有機ELには2種類の技術があり、サブディスプレイなどとしてこれまで使われてきたのは、応答速度や解像度が低いパッシブ型で、文字や静止画表示に向く。一方Sonyなどが薄型テレビのパネルとしてに採用しようとしている、応答速度や解像度を高くできるアクティブ型が存在している。今回、ケータイのメインディスプレイとしてアクティブ型の有機ELが採用された快挙をMEDIA SKINが実現したのだ。
これまでの液晶画面と比較して最大の特徴は、自分で発光しているディスプレイであること。さらにディスプレイの薄型化が可能になり、全部入りの端末の厚みを13mm台に押さえることにつながっているのだろう。
特徴を大まかに捉えると、解像感が高く、くっきりとした表示であること。とにかくコントラストが高く、そして原色の発色は今までの液晶ディスプレイとは比較にならないほど明るく感じられる。コントラストが高いので、むしろ黒がキレイに表示されている印象すら覚える。逆に、白がやや暗く出るようで、今までのケータイのディスプレイよりディスプレイの明度が低く感じるかも知れない。
こんなMEDIA SKINのディスプレイを、実際のケータイで表示するコンテンツで考えてみる。
映像のことが取りざたされる有機ELだが、やはりケータイのコンテンツとして最も表示する時間が長いであろう文字の話。これも結構変わっている。有機ELディスプレイは解像感、コントラストが高いため、文字の表示はとてもくっきりとする。
白い背景に黒い文字は液晶の頃から見にくいと感じなかったが、オレンジのMEDIA SKINのデフォルトのメール画面は黒い背景に白い文字。これを液晶でキレイに表示させるのは難しい。先ほどの自分で発光するパネルであるメリットを生かした仕様と言える。
そしてさらに、色つきの文字の読みやすさは液晶では得られなかった世界だ。特に昨今はEZウェブの閲覧だけでなく、デコレーションメールの文字装飾でも色を変えることができるため、色つきの文字が読みやすいことはとても重要な要素になりうる。有機ELディスプレイが、当面続くであろう文字によるコミュニケーションや情報取得のトレンドの中で、今後のケータイのディスプレイの形式としてポテンシャルを感じる。
写真や映像についても、解像感の高さ、コントラストの高さ、発色のよさなどがとてもポジティブに作用しているように思う。動画の反応速度も速いし、とにかく色の発色が液晶とは違ったくっきりとした映像を実現してくれる。カメラモードにした際も、その応答性とファインダーとしての発色は目を見張るモノがある。文字から画像や映像主体となるケータイコンテンツの楽しみ方にとっても、このディスプレイはポジティブに受け入れられる。
室内や夜にこのディスプレイを見ると、ただ時計が表示されているだけでも、今までのケータイにはない光りのインパクトをもたらしてくれる。その一方で、最大の弱点は屋外。晴天はおろか、曇天でも文字表示が極端に見にくくなってしまう。最大光度にしても、見にくさはあまり改善されない。
屋外を歩きながらケータイの画面を見るのは危険なのでオススメしないが、EZナビウォークなど、屋外でこそ活用できるコンテンツも搭載されているので、見にくいのはもったいなかった。これから日差しの強い夏のシーズンを迎えるに当たり、不安な要素と言える。
屋外対策はMEDIA SKINのみならず有機ELディスプレイ共通の課題になるのだろう。
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