ケータイとして、今までにない感触を手に入れた。これがMEDIA SKINを語る上で最も大きなトピックである。これまでてかてかしていたり、つるつるしたプラスティックのボディをまとうケータイが大半だったし、時々メタル感を打ち出した端末もあったが、次のモデルではプラスティックの素材に戻ったりして、あまり長続きしているようには思えない。そんなケータイのボディ事情の中で打ち出されたのが、MEDIA SKINの提案である。
MEDIA SKINのオレンジ色の部分に触れると、決して物体として柔らかいわけではないのだが、少しざらっとした感触の暖かみのようなモノを感じる。ボタン以外のケータイに触れる部分がすべてこの表面で仕上げられている。SKINから想起させられる肌、特に人の肌という印象はないが、コンパクトなモノはクールな素材で作られていることが多かったので、これが暖かみのある心地よい感触で作られたインパクトは大きい。
メディアやツールで、触れていたくなったり、見ていたくなるデザインは重要だ。そのメディアやツールに対して、生活の中での利用時間や頻度が上がるという点で、意味のあることである。ケータイについて触っていたくなるデザインを実現した端末は、MEDIA SKINが初めてではないだろうか。感覚的な部分での革新がケータイにもたらされたと言う点で、貴重な端末であると言える。
ボディカラーはオレンジ、ホワイト、そしてブラックが用意される。オレンジとホワイトには、シリコン微粒子を配合した塗料が、ブラックには特殊のウレタン粒子を含んだ塗料がそれぞれ塗り分けられている。つまりブラックだけ他の2色とは違う触感なのだ。ブラックの感触は、オレンジのそれよりもさらにウエットな感触で、若干ふわふわした手触りに感じるかもしれない。ちなみにボタン部分やディスプレイ周りのカラーは3色共通の黒になっている。
心地よい手触りを実現している心地よい手触りを実現しているMEDIA SKINはサウンドにもこだわりの手が入れられている。端末をデザインした吉岡徳人さんによって、MEDIA SKINの世界観にフィットする着信音、メール着信音、アラーム音などがセレクトされおり、耳当たりも心地よい。本来マナーモードにしておくべき電車内や会議中に万が一鳴ってしまっても、いやな視線を向けられるよりは、むしろ心地よさに興味を持ってもらえるのではないか、というくらいだ。それは言い過ぎかもしれないけれど。
肌触りのよさから、奏でる音によるリラクゼーションまで、デザイン可能な部分はとにかく人と物の関わりを心地よいものにしていこう、という意志が強く感じられる。
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