903iシリーズで強化されている機能に、音楽機能がある。SH903iは最大で2GバイトのmicroSDに対応し、パソコンからAACとSD-Audio、Windows Media Audio(WMA)といったファイル形式の音楽ファイルを転送するか、ダウンロードした着うたフルを再生することもできる。連続再生時間はSD-Audioで50時間、WMAで34時間にも達している。音楽フォーマット対応の広さと連続再生の長さは魅力的な機能と言える。
その他903iの共通の機能として、デコメールで使える絵文字を一括ダウンロードできるデコメ絵文字ポケット、GPS対応とナビゲーションアプリのプリインストール、Word・Excel・PDFの添付と閲覧、FeliCa機能の拡張が挙げられる。特にナビゲーションアプリはNAVITIME for SHが導入されており、WQVGAの表示に対応して効率よい地図検索が可能だ。
デコメールについては、メールの容量制限が緩和されたほか、添付ファイルの総数も10個まで付けられるようになったことから、これまでの絵文字を20×20ドットの画像としてメールを作成できる「デコメ絵文字」に対応した。デコメ絵文字ポケットとは、このデコメ絵文字を一括してダウンロードし、保存するiアプリのことだ。現在各キャリア間で絵文字の変換に対応して文字化けを見かける機会は減ってきたが、デコメ絵文字を使うと、他のキャリアだけでなくパソコンのメール宛でも、自分の意図したとおりの絵文字を付けたメールを作成できる。
またFeliCa機能の拡張では、ケータイのFeliCaチップ同士の通信が対応となったため、自分の電話帳のデータ、画像ファイルなどを、ケータイ同士をタッチさせることでで相手のケータイに渡すことができるようになった。赤外線ではポートをちゃんと向けなければならないと、やや神経質になりながら電話帳の交換をしていたが、FeliCa同士でのタッチならもうちょっと素早くこなすことができるのではないだろうか。
またこれまでのFeliCaチップよりも容量が大きくなっている。902iシリーズを使っているときに、「Edy」「Suica」「ANA」「JAL」を使っていてさらに「iD」を入れようとしたら容量不足と言われた、という経験があるユーザーにとっては、すすんで903iのFeliCaを使っていけるのではないだろうか。SH903iでは、FeliCaチップを使う際に、バイブレーションやLEDランプを点灯させられるため、おサイフケータイを使った実感を得られる。
903iシリーズ最初のリリースとしてナンバーポータビリティ初日に登場したSH903i。他の端末に比べて派手な特徴を持っているというよりは、903iの新しい機能をきちんと押さえている仕様から見れば、地味なケータイと言える。しかしボディのデザイン、光りの演出、そしてシャープらしい液晶の美しさをそのまま盛り込んできた美しさと洗練の部分は、未だリリースされていない他の端末を見る前でも、高いレベルにあることがよく伝わってくる。
質実剛健、そしてキレイなケータイを持ちたいというユーザーにはもちろんおすすめしたい。そして位置情報付きフルHD写真や高画質長時間のムービー録画に魅力を感じるユーザーにとっては、今まででもっとも粋なケータイを手にすることになるだろう。
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