マーケティングチャンネル
岩本有平(編集部)
2009/11/05 21:40
カカクコムは11月5日、同社が運営する価格比較サイト「価格.com」のログデータを閲覧およびダウンロードできる法人向けのASP型データ提供サービス「価格.com Trend Search Enterprise版(Trend Search)」の提供を開始した。
Trend Searchは、月間利用者1998万人、月間ページビュー(PV)7億2627万(2009年11月時点)を誇る価格.comの製品データを閲覧したり、ダウンロードしたりできるサービスだ。対象となるのは、パソコンをはじめ家電やカメラ、車、バイク、ゲームなど209カテゴリー約20万製品。これらの製品詳細ページのPVや最安・平均価格、クチコミ数、クチコミ内容のテキストマイニングデータ、ショップページへの訪問率など30項目以上のデータを、メーカーや製品カテゴリ、製品といった単位で比較できる。なお、利用できるデータは最長2年分だが、現時点では2008年7月以降のデータしか利用できない。
これらのデータを実際どのように利用できるのか、空気清浄機を例に挙げるとこうだ。
まず、過去数カ月の空気清浄機の製品ページのPVを閲覧するとしよう。そうすると需要のピークと異なる時期に、急激にアクセスが集まっている事がわかる。今度はその時期のクチコミから、テキストマイニングをもとに頻出キーワードを見ると、「ウイルス」「インフルエンザ」といったものが含まれていることがわかった。
これで「インフルエンザの流行から、空気清浄機を探しているユーザーが多い」ということが推測できる。その後、メーカーごとのPVを見たとき、広告でウイルス対策をうたう空気清浄機メーカーが人気だとすれば、その裏付けがとれることになる。さらに人気製品の取り扱い店舗数が下がっているのであれば、製品の人気が高まって在庫がなくなっているということも分かってくる、といった具合だ。
カカクコム インターネットマーケティング部長の大堂充久氏
カカクコム インターネットマーケティング部長の大堂充久氏は、Trend Searchの提供について、「これまでメーカーや調査会社など、案件に応じて個別にデータを提供していた。しかしそれはシステム的にも面倒で、高額になってしまっていた。ASP化のニーズがあった」と経緯を語る。「データ量の多さもあって満足できる反応速度が出せなかったが、1年半から2年ほどかけて、サービスとして提供できるものができた」(大堂氏)
大堂氏はTrend Searchの利点について、ウェブサイトを利用して価格を調べるという、一般よりは比較的リテラシーが高いユーザーの集まるサイトのデータであることや、購買前の調査としてアクセスするというサイトの特性上、「人気製品の兆候をPOSデータなどの実売より早くつかめること」と説明する。大堂氏は、東芝の液晶テレビ「REGZA」を例に挙げ、「価格.comでの人気は以前から高かったものの、売上としてはこれまでシャープが圧倒的だった。しかし最近では東芝のシェアも高まってきた」とテレビの売れ筋の変化が、Trend Searchから見えてくることを説明する。
Trend Searchは、基本機能を無料で提供しており、実数データの閲覧やデータのダウンロード、クチコミの解析などを希望する場合は有料となる。金額は契約期間やID数にもよるが、5アカウント、12カ月契約で月額40万円。
カカクコムでは今後、メーカーや小売店、調査会社などを対象にサービスを提供していく。「2〜3年後に100社程度には導入したい」(大堂氏)
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