FTCの広告ガイドライン改訂にIABが「待った」

文:Caroline McCarthy(CNET News) 翻訳校正:編集部2009年10月16日 12時27分

 米連邦取引委員会(FTC)がブロガーにスポンサーやマーケッター、販売促進用の無料景品との提携関係を開示するよう求める新しいガイドラインを発表したが、Internet Advertising Bureau(IAB)がこれに反対の姿勢を表明した。IABは、これらの規則はオンラインメディアをオフラインのメディアよりも不当に厳しく規制するものだと主張している。

 「これらの規則改定に関してわれわれが最も懸念しているのは、これまで発明された最も安価で、最も幅広いアクセスが可能な通信メディアであるインターネットの自由が、ほかのメディアよりも制限されることである」とIABのプレジデント兼最高経営責任者(CEO)であるRandall Rothenberg氏は、FTCの議長Jon Leibowitz氏に宛てた公開書簡で述べた。「これらの改訂はオンライン世界にとって厳しい内容であり、同一の言論を伝達メディアによって不当に区別するものだ。従来型のメディア機関では、こうした慣行は古くから米国憲法修正第1条によって手厚く保護されてきた。しかし、FTCは、オンラインでは同一の言論をほかのメディアと同じように憲法で保護する価値がない、と言っている」(Rothenberg氏)

 Rothenberg氏は個人的な例を挙げて、これを説明した。

 わたしはこの前の土曜日、妻を驚かせるためにオオヒラメを焼いて皿に盛り、この素晴らしい作品を撮影した。そして、その写真を「Twitter」フィード(これは自動的に「Facebook」ページもアップデートし、個人ブログへもリンクするようになっている)で送信しようと考えた。お気に入りの料理本であるPenelope Casas氏の「Delicioso! The Regional Cooking of Spain」から入手した今回のレシピについて、べた褒めのレビューをタイプした。しかし「投稿」ボタンを押す直前までいったところで、わたしはすべてをキャンセルした。

 というのもこの本は、Alfred A. Knopf出版社の編集者から13年前に無料でもらったものであることを思い出したからだ。FTCによって法廷に引っ張り出されて、あなたがたがソーシャルメディアの言論を抑圧するために発布した規則に違反したかどで法廷に引っ張り出され、罰金を科されるのはご免だ。

 FTCによると、違反者には最大1万1000ドルの罰金が科されるというこれらの規則の目的は、罰を与えることではなく、教育することだという。しかし、Rothenberg氏はその説明に納得していない。

 「確かに、このガイドラインによって、あなたがたはブロガーを追跡できるようになる」とRothenberg氏は主張した。「このガイドラインは、大企業よりも個人に対して重い法的責任を負わせ、オンラインソーシャルメディアはオフラインの企業メディアほど手厚く保護されない、とはっきり述べている。また、文化的な会話を促進する機会をオンライン企業から、オフライン企業以上に奪っている。このガイドラインは、ソーシャルメディアで発言する個人に製品提供する書籍出版社や映画制作者などの企業に対し、法的手続きを盾に脅しをかけている」(Rothenberg氏)

 さらに問題なのは、オフラインメディアには同じ制限が適用されないことだとRothenberg氏は説明した。そして、公開書簡によると、あるメディアだけを厳しく取り締まって、ほかのメディアを取り締まらないのは、米国憲法修正第1条に違反するという。

 FTCは書簡に対する回答をまだ公表していない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ

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