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バファリン特設サイト「バファリス」のストーリー

川上徹也 2009/09/30 12:37

 WEBにおけるコミュニケーションには、何よりもストーリーが必要です。この場合のストーリーとは、相手の感情を動かすエピソードや仕組みを指します。頭痛薬バファリンの特設サイト「バファリス」には、人間の感情を刺激するストーリーがありました。

 このサイトは、バファリスというかわいいリスが、みんなの頭痛のタネを食べてくれるというものです。アクセスすると、あなたの頭痛のタネを食べる為に生まれたというバファリスが登場します。バファリスは、バファリンの錠剤をバックのようにたすき掛けしていて、その動作がとてもかわいいのが特徴です。

 そんなバファリスが、「誰にも言えない頭痛のタネ打ち明けてみませんか?」と問いかけてきます。そして「あなたの頭痛のタネは?」というバナーをクリックすると、「あなたの頭痛のタネを教えてください」と、簡単なアンケートが始まります。 年代、職業、性別などです。次に「あなたの頭痛のタネはどんなタイプ?」と、「恋愛」「仕事・勉強」「友人・家族」「美容・健康」の4つのうちから選ぶように質問してきます。

 さらに、それぞれのタイプに合わせた質問にいくつか答えていくと、最後に「言いたいことを吐き出して、スッキリしちゃってください」という画面が出て、不平不満を書き込めるようになっています。そして、そこに書き込んだ文字は、もやもやとした形で昇華され、それが種になってバファリスの前に落ちます。種は悩みによって、いくつかの種類に分類されます。

 バファリスはその頭痛の種をカリカリと食べてくれます。食べる動作も食べ終わってからのお腹いっぱいという仕種もかわいく、気分を和らげてくれます。その後、「ネバーギブアップ」などの励ましの言葉をかけてくれるので、溜まっていたストレスが少しだけ和らぐような気がします。また、他人の頭痛のタネを見ることもできます。

 このサイトは、色々なブログで取り上げられ、「癒された」「スッとした」「気持ちが楽になった」などの意見が書かれています。では何がブロガー達の心を掴んだのでしょう?

 それはサイトを見た人間が参加できるストーリーを作っているからです。自由に言いたいことを吐き出させ、それをパターンに分類し、バファリスが食べるというインタラクティブ性が人の気持ちを動かしたのです。実際に試してみるとわかりますが、こんな場所にでも言いたいことを吐き出して、それをバファリスに食べてもらうと、何だか悩み自体がたいしたものでないような気がして、元気が出てきます。頭痛のタネを聞き出して、それを食べるというだけのとてもシンプルな構造ですが、そこにはちゃんと人の感情を動かすストーリーがあるのです。

 このように、優れたコミュニケーションには必ずストーリーがあります。あなたの会社のWEBコミュニケーションには、インタラクティブなストーリーがありますか?

◇ライタプロフィール
 川上徹也(かわかみ てつや)
広告代理店で営業局、クリエイティブ局を経て独立。フリーランスのコピーライターとして様々な企業の広告制作に携わる。また、広告の仕事と並行して、舞台脚本、ドラマシナリオ、ゲームソフト企画シナリオ、数多くのストーリーを創作する仕事にかかわる。近著に「価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ」(クロスメディア・ パブリッシング)

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