サービス障害で真価問われるTwitter

文:Charles Cooper(CNET News.com)
翻訳校正:ラテックス・インターナショナル
2008年04月23日 18時34分

 America Online(AOL)には1990年代中ごろ、あやうく大失敗しそうになった経験があるが、その当時は急成長を遂げていた。AOLのインフラは増え続ける新しい顧客の大群に対応することができず、まもなく頻繁に接続が切れるというやっかいな症状が出るようになった。

 筆者はその当時、AOLのある上級幹部が、同社の上層部が一見して突然襲ってきた苦情の嵐やメディアでの否定的な報道に不意を突かれている様子について説明してくれたのを覚えている。それはまるで誰かがスイッチを入れたためにAOLが「最愛の人」から「愚か者」に転落したかのようだった。Steve Case氏と経営陣は最終的にはその問題に多額の金をつぎ込み、AOLはほんのかすり傷を負っただけで評判を取り戻した。しかし、それでも危機一髪だった。

 Twitterの関係者は、サービスを完全に復旧させる方法を見つけ出した後で、この歴史の教訓を再度学んだ方が良いかもしれない。筆者は両社の相対的な規模やハイテク事業に対する影響度について述べているのではない。AOLはその全盛期にProdigy、CompuServeなどのライバルにぬきんでて最初にインターネットとして認知されるようになった。同様にTwitterが出現すると、われわれはデジタル評論家のお気に入りのおもちゃになった、この非常に創意工夫に富んだ技術について語るようになっている。

 Twitterにとって不運だったのは同社の人気があまりに高かったために、米国時間4月18日に始まったサービス障害がなおさら恥ずかしい問題になったことだ。新しい「memcacheプロジェクト」はよりスケーラブルなサービスを促進することが目的だったが、導入作業がおざなりだった。Twitterは21日、今回のトラブルについて次のように説明している。

 このプロセスによってサービスの停止は最小限にとどまっているが、週末から21日にかけてTwitterは2セットのキャッシュと複雑な会話をすることになった。その結果、あるキャッシングの問題が発生した。つまり、すべてのユーザーについてホームディレクトリのタイムラインのキャッシュが正しく更新されなかったのだ。

 われわれはこの問題を承知しているし、これが困った問題であることもわかっている。そして21日には会合を開いて、このプロジェクトをどのように仕上げるのが最善の策であり、どうやったら残っているバグを一掃できるかについて討議する予定だ。週末にSatisfaction、@repliesおよび電子メールでわれわれに連絡をくれたすべての人のおかげである。全体として、この「memcacheプロジェクト」を完了できることは大きな幸運であり、これによって安定性が向上すると思われる。

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