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Zimbraを核に、法人向けビジネスに挑むWeb 2.0ビジネスのエバンジェリスト
「Web 2.0的なサービスはお金にならない」と人から言われることが少なくないが、しかし、私はこの意見には反対で、ビジネスにならないはずはないと自信を持っている。
私が取締役兼COOを務めているフィードパスは、いままさにこれを身をもって証明しようとしている。フィードパスとは、グループウェアなどを手がけるサイボウズの連結対象子会社であり、ブログやフィード関連のサービスを提供している。
無料で利用できるフィードリーダや、ブラウザで複数のブログを編集、一括管理できるブログエディタなどを統合したサービス「feedpath」を個人ユーザー向けに提供している。法人向けにイントラブログシステム「blogengine」のOEM供給なども手がけているが、feedpathのサービスに対する印象が強いため、個人向けサービスによる広告ビジネスを展開していると認識している人が多いのではないだろうか。しかし、フィードパスでは広告事業を収益の柱にするつもりは現時点ではまったくない。
実はフィードパスは、2006年4月にblogengineのOEM供給事業で創業したブログエンジンという会社をサイボウズが子会社した際に、サイボウズのWeb 2.0プロジェクトとして私が立ち上げていたfeedpathとの事業統合によって成立した会社だ。つまり、現在のフィードパスは法人向けと個人向けの2つのサービスを展開しているのだが、こうした経緯でフィードパスを社名にしたため、個人向けの印象が強いのかもしれない。
しかし、前述のように、フィードパスは今後、広告事業ではなく法人向けのサービスの開発と、それによる課金ビジネスに力を入れていく。その1つは、米Zimbraとの協業だ。Zimbraには住友商事の米国ベンチャーキャピタル子会社PresidioSTXが出資し、住友商事が日本国内での事業化権を有している。そして、住友商事は2006年5月にフィードパスの第三者割り当て増資を引き受け、両社で協力してZimbraの企業向けWeb 2.0対応ウェブアプリケーション「Zimbra Collaboration Suite」を日本市場で展開することになった。
経緯を少し説明すると、まず住友商事から協業の話がある前に、サイボウズの青野慶久CEOとともに米国Zimbraを2005年末に訪問している。Ajaxをフルに使った最新のコラボレーションツールに対する調査は常に怠ってはいなかったのだが、そのときにはフィードパスはまだなく、協業の可能性をお互いに検討しただけにとどまっていた。
しかし、フィードパスが会社として成立したことによって状況は変わった。青野CEOおよびサイボウズの副社長でもあるフィードパスの津幡靖久CEOが、もともとエッジの効いたサービス開発を目指して創業しているフィードパスであれば、Zimbraのよいパートナーになれると判断し、住友商事の出資を受け入れ、Zimbraの日本市場展開に着手する決断をしたのである。
Zimbra Collaboration Suiteアプリケーションは、ユーザーインターフェースにAjaxを使い、メールやアドレス帳、スケジューラなどを標準で装備した企業向けウェブ統合コラボレーションシステムだ。どんな企業であっても必ず利用しているメールを軸に、情報共有を促進させるというアイデアが秀逸である。さらに、Zimbraの大きな特徴として、外部アプリケーションなどとの統合や連携を実現するためのインターフェース「Zimlets」を使ったマッシュアップ機能、フィードリーダー機能、携帯端末との同期機能などを備えていることが挙げられる。
Zimletsを利用すれば、開発者がSkypeやGoogleマップなど他社サービスとZimbraアプリケーションとを統合、連携したサービスを提供できる。また、メールのアーカイブやリカバリにも対応し、企業内ユーザーのPCにデータを残さないようにできるため、内部統制を考慮したエンタープライズユーザーのニーズも満たせる。
Zimbra Collaboration Suiteは、2006年秋頃に国内で法人向けに提供するために、現在日本語化などを進めている。基本的に、Software as a Service(SaaS:アプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で提供する方式)でのサービスを考えているが、導入企業の状況にあわせて案件ごとに柔軟に対応していく。
また、当初はfeedpathと別のサービスとして提供するが、両サービスを連携させることも検討している。たとえば、feedpathやZimbra、あるいは今後展開するサービスを利用するためのアカウントIDはすべて統一すると利便性は高まりそうだ。こうした考えはまだ空想の域を出ないが、これが実現すればfeedpathとZimbraはそれぞれがシナジーを発揮できるサービスプラットフォームになると思う。
Zimbraのメインターゲットは大規模企業で、料金体系は米国と同様に1アカウント単位で課金する方針。ちなみに、米国ではサーバやネットワーク別で1アカウントあたり年間28ドルとなっているが、日本向けの価格はまだ未定だ。
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