2017年の世界の広告市場は5704億ドルに、デジタルが成長をけん引--Carat予測

 電通の海外子会社であるCaratは9月8日、全世界59地域から収集したデータをもとに算出した世界の広告費成長率予測を発表した。

 2016年3月に予測した、2016年および2017年の広告費成長率予測を改定。全世界59地域のトータルおよび、主要な地域と国に関する推計値を算出した。対象媒体は、テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、映画館広告(シネアド)、屋外/交通広告、デジタルの7種類。

 2016年の世界の広告市場の成長率は、前回予測から0.1ポイント減の前年比4.4%増の5482億ドルと予測しており、2015年実績から230億ドル増加。構成比では、テレビ広告費が最大シェアを維持し、全広告費の41.1%を占める。一方、デジタル広告は、前年比で15.6%増の成長を見込み、構成比は27.7%と予測している。

 地域別にみると、北米は前回予測から微増し5.0%増、西ヨーロッパは英国がEU離脱の影響で前回予測から0.8ポイント減となり、同地域全体では前回予測よりも0.2ポイント低い2.9%増。また、中央および、東ヨーロッパではV字型の経済回復が続いており、前回予測の2.2%増から4.7%増へと大幅に上方修正している。

 アジアパシフィックは、マイナス成長が予測される香港、台湾、タイなどの影響もあり、前回予測を0.5ポイント下回る3.9%増と予測。また、ラテンアメリカもブラジルの景気回復の遅れもあり、前回予測の10.5%増から0.5ポイントダウンの10.0%増を見込んでいる。

2017年の世界の広告市場は5704億ドルと予測--デジタル広告が成長をけん引

 2017年の世界の広告市場は、2016年3月予測の4.5%増から0.5ポイント下方修正した4.0%増と予測しており、広告費も、2016年対比で222億ドル増の5704億ドルに達するとみている。この増加見込み額の9割に相当する201億ドルが、デジタル広告費の増加によってもたらされるとしている。

 媒体別では、引き続きテレビ広告費が最大のシェアを占め、2017年には構成比が40.3%になると予測。一方、モバイルやオンラインビデオ、SNSの広告費の増加に見られるデジタルシフトの加速により、デジタル広告費の構成比は30.2%に達するとみられる。

 地域別内訳のうち、北米をみると、世界第1位の広告市場である米国は、大統領選やリオデジャネイロオリンピック、同パラリンピックによるキャンペーン効果に支えられ、2016年は5.0%増(前回予測は4.7%増)の2048億ドル(世界の広告費の37.4%に相当)になると予測。大型イベントがない2017年でもデジタル広告がけん引し、3.8%増の安定した成長が見込まれる。

世界の広告市場の推移
世界の広告市場の推移

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