矢野経済研究所は7月4日、広告効果測定のためのデータ活用実態に関するアンケート調査を実施し、結果を発表した。
年商100億円以上の企業に勤務するプロモーション業務従事者かつ、インターネット広告とマス広告3媒体(テレビ、新聞、雑誌)を併用して取り扱う306名を対象に、ウェブアンケートを実施した。
「プロモーション業務におけるデータ活用の重要性」では、「たいへん重要である」(49.0%)、「重要である」(44.1%)と、合計で93.1%を占めた。広告効果を測定し最適なプロモーションを図るため、データ分析・活用が重要視されている。
この背景には、インターネット広告利用の拡大とビッグデータ活用の進展がある。行動履歴から顧客の興味や関心を推測し広告を配信するターゲティング広告など、データを活用した広告手法も多様化し高度化している。
「プロモーション業務において現在取り組んでいるデータ分析と今後取り組みたいデータ分析」を調べると、「収集したデータの集計」は69.0%、「グラフでの可視化」は52.0%が「現在できている」と回答。調査結果から、集計やグラフ化までの分析はすでに実施されているものと判断できる。
一方、「インターネット広告の各プロモーション施策の影響力分析」「インターネット広告だけでなく、テレビCM などのオフライン広告もふまえた施策の影響力分析」「自社の広告施策だけでなく株価や競合のプロモーション状況をふまえた影響力分析」といった、より複合的な分析になると「今後取り組みたい」の回答率が「現在取り組んでいる」を上回る結果となった。
中でも、もっとも差異が大きいのは「自社の広告だけでなく、株価や競合状況もふまえた総合的な影響力分析」の項目。「現在取り組んでいる」が16.0%、「今後取り組みたい」が32.4%と倍以上の差があった。
インターネット以外のオフライン広告、広告以外の競合状況など、データの利用範囲が拡大するほど、「現在、取り組んでいる」と「今後取り組みたい」とのギャップが拡大していることがうかがえる。
同社では、テレビCMや雑誌広告などマス広告は、施策ごとの細かいデータは取得しづらいなどの課題があると指摘。また、広告の効果発揮の背景には多様な要因が含まれるとしている。
データ分析の精度を高め、プロモーションを最適化するためには、インターネット広告と平行して、マス広告やイベントなどの相乗効果、外部環境の影響などを総合的に考慮することが必要だとしている。
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