「はてな」の知見活かしFreakOutが進化--「必要な機能やっと備わった」

井指啓吾 (編集部)2014年08月19日 15時00分

 フリークアウトとはてなは8月19日、広告配信先の自動判定(アドベリフィケーション)機能「BrandSafe はてな」を共同開発し、フリークアウトが提供するRTB(リアルタイム入札)対応DSP「FreakOut」において、「BrandSafe はてな for FreakOut」として提供すると発表した。

 FreakOutを利用する広告主は同機能を使うことにより、広告配信先から、違法サイトや広告主の指定する不適切なサイトの買付けを自動的に抑制できる。バナー広告だけでなく、動画広告にも対応。国内ではこれまで、広告配信先のホワイトリスト・ブラックリストへの指定は手動で行うのが一般的となっていた。フリークアウトの事業担当者は「必要な機能がやっと備わった」と胸をなで下ろす。


「BrandSafe はてな for FreakOut」機能イメージ

 アルゴリズムは、はてながソーシャルブックマークサービス「はてなブックマーク」で培ってきた機械学習のエンジンをもとに開発。はてなブックマークのタグやコメント、はてなキーワードなどの投稿データも考慮されるため、サイト内の情報だけでなく、日本特有のネットスラングにも対応する。「違法ダウンロード」「アダルト」だけでなく、製品などのブランド価値を毀損するとして広告主が敬遠するという「2chまとめ」などを広告配信の制御先に指定しても、リアルタイムかつ高精度に判定できるという。

 はてなブックマークは2008年のリニューアル以降、サイトトップに記事が掲載されることでアクセス数が稼げることが広く知られるようになりスパム投稿が増えた。はてなでは同時期に本格的なスパム対策を講じたが、そこで貯まった知見が今回の機能開発にも役立っているそうだ。

 サービス価格は、同機能を使って配信された広告の掲載1000回あたりの料金(CPM)となる。フリークアウトによると、海外のアドベリフィケーション機能のCPMは3~10円が相場と言われており、それとほぼ変わらない金額になるという。

 売上は両社のレベニューシェアとなるが、その比率は非公開。はてなは今後、BrandSafe はてなをフリークアウト以外が提供するDSPに組み込むことも想定している。フリークアウトは「ネット広告全体を健全なものにしたいため、そこを縛るつもりはない」としている。

 国産のアドベリフィケーション機能の提供はこれが2件目となる。2013年12月、マイクロアドときざしカンパニーが「きざしアドベリー」を共同開発し、マイクロアドのDSP「MicroAd BLADE」に搭載して「きざしアドベリー for MicroAd BLADE」として発表している。

 なお、FreakOutは今回のサービス提供と同時に、インターネット広告推進協議会(JIAA)の進める、警察庁とインターネットホットラインセンター(IHC)との連携によって実施する、インターネット上の広告料収入を目的とした違法・有害サイトの対策に対応する。IHCからJIAAに提供される違法・有害サイトのURL情報などを活用して広告配信をタイムリーに停止することで、インターネット広告市場の健全化を推進する。

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