最も優れたマーケティング事例は--D2Cが「コードアワード 2014」贈賞式

 D2Cは7月10日、デジタル広告やマーケティングのアワードである「コードアワード 2014」の受賞作品を発表した。グランプリには子どもが楽しんで野菜を食べるきっかけづくりをコンセプトにした、エバラ食品工業の「おくちの中の遊園地」が選ばれた。

 同社では、2002年からモバイル広告やマーケティングの発展を目的としたアワード「モバイル広告大賞」を開催してきた。しかし、いまではPCやスマートフォンなど複数のデバイスをまたいだマーケティングが一般的になりつつある。そこで、2014年からこの対象をデジタル全域へと拡大させ、総合デジタル広告・マーケティングのアワードへと刷新したのがコードアワードだ。


「コードアワード 2014」の受賞者

 今回のアワードでは、2013年4月1日~2014年3月31日の期間に、各種デジタルを活かして実施・開始されたマーケティング事例を対象にしている。3月3日~4月25日にかけて作品を募集したところ合計92作品のエントリーがあり、審査員によってグランプリを含む13作品が選ばれた。審査員は恩藏直人氏や伊藤直樹氏、夏野剛氏、堀江貴文氏など8名が務めた。

グランプリ

企業名:エバラ食品工業
商品・サービス名:浅漬けの素
作品名:「おくちの中の遊園地」


 エバラ食品工業では、若年層のママ世代における「浅漬けの素」の認知向上を目的としたキャンペーンを実施。“子どもが野菜を食べるきっかけ作り”をコンセプトに「おくちの中の遊園地」を企画した。まずウェブでは、PCのウェブカメラに向かって口をパクパク動かすことで、擬似的に野菜を食べて遊べるゲームなどを開発。

 さらに、子どもが集まる遊園地などで体験イベントを実施し、骨伝導テクノロジを応用したヴァーチャルリアリティデバイスを用意した。これは、野菜の食感を“子どもが好きなもの”に変えるもので、たとえばデバイスの先に刺さった一口サイズの野菜(浅漬け)を食べると、まるで口の中に“花火があがった”ような体験ができる。その他にも、恐竜の鳴き声やレーシングカーなど計9種類の体験を提供し、子どもたちが楽しんだ。


ベスト・イフェクティブ

企業名:良品計画
商品・サービス名:MUJI passport
作品名:「MUJI passport」


 良品計画は、オムニチャネルコミュニケーションプラットフォームの核となるスマートフォンアプリ「MUJI passport」を提供。ユーザーはアプリを利用することで、店舗とネットでの買い物、チェックイン、商品への口コミ投稿、商品開発参加など、無印良品に関わったあらゆる行動を“MUJIマイル”として蓄積できる。マイルが貯まると買い物に使えるポイントがプレゼントされる。

 単に会員証をアプリ化したのではなく、リアル店舗とウェブをシームレスに連携し、「購買前」「購買行動」「購買後」も含めて、顧客との継続的なコミュニケーションを実現するプラットフォームにした。また、アプリの商品検索では、全店舗の在庫情報をリアルタイムに反映し、GPSを使って最寄りの在庫がある店舗を表示する機能も提供した。


ベスト・ブランディング

企業名:雪印メグミルク
商品・サービス名:雪印コーヒー
作品名:「オレたちのゆきこたんプロジェクト」


 発売50周年を迎えた「雪印コーヒー」は、若者に関与度の低いブランドになっていたという。そこでブランドキャラクター“ゆきこたん”を若いユーザーたちとゼロから一緒に育てていくクラウドソーシング型のプロジェクトを発足した。

 プロジェクトでは「雪印コーヒー擬人化イラストコンテスト」を実施し、ゆきこたんキャラを共同開発。コンテストには、1カ月間で6843点のイラストが寄せられ、上位6キャラをスペシャルパッケージ化し限定発売したところ、コンビニでは品切れが続いたという。コンテスト参加者の77%が29歳以下の若者だった。さらに、発売日に6人のキャラを3次元化したアイドルグループ「リアルゆきこたん」を結成。デビューライブには4万人が集まったという。


ベスト・キャンペーン

企業名:サントリーホールディングス
商品・サービス名:サントリー ウイスキー
作品名:「3D on the Rocks」


 「3D on the Rocks」では、3Dデータを元に、独自に改良したCNCルーターで超精密な氷を削り出せる。お酒への興味が低い20~30代をターゲットとして企画され、これまでにない新しいウイスキーの楽しみ方を提案した。

 ユーザーは無料アプリ「123D Catch」で好きなものや形を3D撮影し、専用サイトから応募。抽選で選ばれたユーザーは、世界に一つの自分だけの氷でウイスキーを楽しめるバーイベントに招待された。削り出された氷は、キャンペーンサイトにアーカイブされ、ソーシャルメディアで次々とシェアされたという。


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