文:Michael Kanellos(CNET News.com)
編集校正:坂和敏(編集部)
2006/04/06 22:43
--プラズマディスプレイはいずれ衰退し、将来は液晶ディスプレイまたはSED(Surface-conduction Electron-emitter Display:表面電界ディスプレイ)が優勢になるとするアナリストの指摘については、どう思われますか。
アナリストには、市場で実際に起こっていることが見えていないのです。テレビに関しては、75%を超える消費者が液晶よりもプラズマを好んでいるというのが現状です。これは37インチ以上のテレビについてです。平面テレビには、液晶とプラズマという2種類の方式があります。そして、(37インチ以上のテレビでは)75%以上の購入者がプラズマを選んでいます。画面の大きさが37インチを超えると比較になるものはありません。
これには理由があります。2つの方式はいずれも進歩していますが、液晶ディスプレイは本質的な弱点を抱えており、特に動いている画像(の追随と表示)に関してはそれが顕著です。大画面に最も適しているのはプラズマディスプレイです。
小さな画面にプラズマを使用することはできません。(携帯電話を指さしながら)嘘ではありません。
メーカーの立場からしても、プラズマのほうが好都合です。プラズマの製造には2日しかかかりませんが、液晶の場合には1週間もかかります。この差は製造コストに大きな違いをもたらします。そして、ディスプレイのサイズが大きくなると、その違いも大きくなるのです。つまり、(液晶ディスプレイには)技術面と製造面で本質的な問題が存在しているのです。
--しかし、プラズマの信頼性および耐久性に疑問を投げかける意見も聞かれます。また、消費電力の多さも問題であると指摘されています。
そういった人々は勉強不足です。5年前であれば、彼らの主張は正しかったかもしれません。しかし、技術は年々進歩しており、電力消費量の差はなくなっています。プラズマは液晶よりも多くの電力を消費すると主張する人々もいます。その説が5年前には正しかったという点には同意しますが、しかし現在の技術はその頃よりも進歩しています。われわれのプラズマは現在、第8世代にあたります。プラズマが液晶に比べて劣っていると考えている人々は、もっと勉強すべきです。
--プラズマに関して今後予想される変化もしくは改良点としてはどんな事柄がありますか。
まずはサイズです。今回われわれは、1080p(プログレッシブ方式時の解像度)--つまりフルHD(高品位映像)に対応する103インチのプラズマテレビを発表しました。消費者が求めているのはこの方向だとわれわれは考えています。実際に展示してあるプラズマテレビの画像を見ていただければ、(その画質に)驚かれることでしょう。私自身、初めて見たときには驚きました。画質の差は歴然としています。
残念なことに、米国にはこういった画像がどんなに美しいかということを知る消費者がほとんどいません。彼らは今でも、画質の悪いテレビを見ています。しかし、一旦(高品位映像を)見れば、彼らも画質の悪いテレビでは満足できなくなると思います。もっとも、実際に目にするまでは、それが必要だとは思わないのかもしれません。
2005年の秋には、売上に関して興味深いことがありました。平面テレビにはED(クリアビジョン)と呼ばれるHDとは異なる方式があります。2004年秋期におけるパナソニックのプラズマテレビ販売に占めるHDテレビの割合はせいぜい25%で、それ以外はEDが占めていました。ところが、2005年秋期の販売データを見て、私は非常に驚きました。HDテレビの占める割合は現在75%になっています。つまり(EDとHDの販売数は)完全に逆転したのです。私はHDがこれほど伸びるとは予想しておらず、その割合は50%ぐらいだろうと考えていました。この予想は2005年1月、前回のCESにおいて行ったものですが、私の読みは良い意味で完全に外れました。
--プラズマテレビに関する問題の1つに、そのサイズ(の大きさ)があると思います。私はサンフランシスコに住んでいるのですが、家を改装しないことには103インチのプラズマテレビを部屋に置くことができません。
そうですか。でも65インチなら置けるでしょう。
--ええ。しかし、40インチより小さな製品についてはどうでしょう。プラズマテレビの製品ラインアップを見直し、より小さなサイズを提供するおつもりはありますか。
われわれにとって、プラズマテレビの下限は37インチです。それが限界です。37インチ以上の大きさのものにはプラズマを使用し、それ未満のものには液晶ディスプレイを使います。ただし、液晶ディスプレイに関してはIPS(In-Plane Switching)と言うべきだと私は思っています。IPSは液晶ディスプレイの一種ですが、応答速度の遅さがありません。液晶ディスプレイという名称は今でも使用されていますが、紛らわしいので私は使用したくありません。
--競合他社が市場に投入したいと考えているSEDテレビやカーボンナノチューブテレビについては、どんなご意見をお持ちですか。
私はあの技術をあまり買っていません。これは私見ですが、彼ら(=SEDなどのメーカー)は開発を始めた時、あるいはそれについて公的な発表を行い始めた数年前には、プラズマテレビの価格、サイズ、品質といった点で、市場がこれほどまでに大きく変化するとは予想していなかったことが問題だと思います。彼らは、おそらく3年前に目標を定めたのでしょう。そして、その時の目標はプラズマでした。しかしその目標は、彼らが予想したよりも、おそらくもっとずっと速く動いていったということだと思います。
店頭価格でみると、42インチのHD(EDではなく)プラズマテレビは2005年12月時点で約3000ドルで売られていました。しかし、およそ1年半前であれば、同じようなものが8000ドル以上もしていたのです。
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