Michael Kanellos
2006/04/07 00:42
--(消費者製品を除くと)iRobotの最大の顧客は米軍ですか。
現時点では、米軍のニーズに応え、中東で起きている課題に対処することが当社の重要課題です。当社の製品はイラクですでに100人以上の命を救ったと聞いています。これからも、駐留米軍には多くの機材を納入する予定です。米軍からは機能に対するフィードバックもいただいています。
iRobotはFuture Combat Systems(FCS)という計画にも参加しています。これは総額220億ドル(iRobotは5000万ドルの契約を獲得)の大がかりな計画で、72時間以内に世界のどこにでも配置することのできる、きわめて機動性の高い部隊を作ることを目指しています。この部隊は兵士、ロボットなど、あらゆる媒体を使って可能な限りの情報を収集します。収集した情報はネットワークに流され、各分野の専門家によって分析されます。大量の非戦闘員の中から敵を見つけ出さなければならない、現在のイラクのような状況では、情報を分析し、その結果をもとに、現場の兵士に適切な指示を出すことが重要になります。
--そのようなシステムをどうやって実現するのでしょうか。カメラの映像を人口知能システムで解析するのですか。
それも一案です。大量のノードにデータを収集させ、そのデータをネットワークに流すこともできます。
--群ロボット(swarming robot)の分野では、どのような研究を行っていますか。
ノードを安価に増やせるようになれば、次の問題はいくつのノードを、何人で制御できるかです。群ロボット技術というのは、人を介さずに多くのものを制御する技術です。以前、当社は部屋の角に128台のロボットを集め、ボタンを合図に、一斉に移動させるというデモを行いました。高速で部屋中に散らばったロボットたちは、ある種のグリッドを形成します。つまり、ロボット同士の交信を分析することで、部屋の平面図を描くことができるようになるのです。
充電が切れそうなロボットは、近くにいるロボットに「充電器はどこだ」と尋ねます。そのメッセージはネットワークを伝わって、充電器の近くにいるロボットに届き、そのロボットが「こっちにあるぞ」と叫びます。すると、充電が必要なロボットは充電器があるといわれた場所へ向かい、そのロボットがもといた場所には、別のロボットが移動してくるという具合です。
デモではちょっとした遊びも披露しました。これらのロボットには高性能のサウンドシステムが搭載されていたので、ロボットにテナーとソプラノをランダムに演奏させ、自己組織的な演奏会に挑戦しました。
--米軍はロボットで何をしようとしているのでしょうか。
ロボットは危険な任務を遂行するための、新しい重要な方法となるでしょう。アフガニスタンでは多くの洞窟に爆弾がしかけられていました。これらの爆弾は、わずかな刺激でも爆発してしまうような不安定なものだったため、(こうした場所を探査するのは)非常に危険でした。このような場所にまずはロボットを送り込むことは、誰の目にも正しく、合理的な判断でした。
ベトナム戦争のときと比べると、現在の米軍は進化しています。ベトナム戦争では、洞窟の探査を行う兵士の身体にロープを巻き付けました。爆発が起きたとき、ロープをひっぱって救い出すためです。探査の対象が建物のときは、もっと悲惨でした。ドアを前にするたびに、兵士は選択を迫られました。飛び込めば、銃撃されるかもしれない。しかし手榴弾を投げ込めば、室内にいる罪のない民間人を吹き飛ばしてしまうかもしれない。ロボットの真骨頂は、戦地につきもののこうした不明確さを取り除く点にあります。
ロボットを利用するもうひとつのメリットは、非致死性兵器、つまり閃光手榴弾や粘着弾などを利用できることです。現在、これらの技術があまり普及していないのは、M16ライフルの方が確実に機能するからです(そして、生きるか死ぬかの状態にある兵士にとっては、その方が賢明な選択に思われるからです)。ロボット技術の応用には、さまざまな形があります。
--消費者向けロボットに話を戻すと、韓国と日本では多くの人型ロボットが開発されていますね。この市場には大きなチャンスがあると思いますか。
人型ロボットは興味深い分野だと思いますが、経済の面からいえば、当面は現実的とはいえません。PackBotは人型ロボットをはるかに超えるスピードで、はるかに確実に階段を上ることができます。PackBotは2階から放り出されても、壊れることがありません。人型ロボットに同じことをしたら、たちまち鉄くずと化してしまうでしょう。
しかし、エンターテインメント分野では、人型ロボットが商業的に成立する可能性があります。Robosapienはとても魅力的な製品でしたし、価格もこなれていました。このロボットを買った人たちは、100ドルの投資で十二分に楽しんだはずです。
--家庭にロボットが浸透するまでには、まだ時間がかかるのでしょうか。
実際に使ってみると、Roombaは満足度の高い製品です。このロボットは日々の床掃除を楽にしてくれます。毛足の長い絨毯が床一面に敷き詰められているような家庭では、Roombaは評価されないかもしれません。この種の絨毯では、Roombaの威力は十分に発揮されないからです。しかし、厚みのないパイルカーペットやフローリング、小さな絨毯をアクセント程度に敷いているような家庭では、Roombaは大いに重宝されるはずです。
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