最終更新時刻:2008年10月10日(金) 23時50分

ロボットカー開発者に聞く--人工知能と消費者向けロボットの未来

文:Candace Lombardi(CNET News.com)
翻訳校正:編集部

2006/08/10 02:32  

--たった15年ですか?

 20年かも知れません。ここ最近、技術の進歩が著しく加速していて、投資の額も増えていますから・・・。面白いヒューマノイドロボットのほとんど全部が、ここ5年間に登場したものです。ただ、今のヒューマノイドロボットの流行は、人間にとって実際に役に立つものだというシナリオを作れていないことが気がかりです。われわれはまだいろいろと実験し、ロボットをいじり回して何ができるかを考えている段階にいます。確実な使い道を見つけられない限り、疑問は残ります。果たして答えが見つかるのか。実際に役に立つものだと言えるようになるのか。もし答えが見つかれば、この技術は10年前後で現実のものになるかもしれません。

--CNET News.comでは、スタンフォード大学のJohn McCarthy教授に、人工知能の50周年記念をテーマにインタビューしました。そのインタビューで、McCarthy教授は常識と推論の定式化が次の目標になるとおっしゃっていました。Thrunさんは、人工知能の分野でやるべき次の課題はなんだとお考えですか。

 人工知能には二つの異なる見方があります。私はそのうちの二つ目の見方にこだわっています。一つめの見方は人工知能は人間の知能と万能機械(ユニバーサルマシン)に関するものだという考え方です。私は、これも非常に魅力的な目標だと思います。この目標は、200年くらい前からあったと言えるかも知れません。二つ目の見方は、情報技術の最先端を開拓するというものです。例えば、データを意味のある情報にすることです。ウェブから意味を抽出する、これらはGoogleがある程度達成していますね。それからゲノム情報から意味を抽出することやロボットから意味を抽出することなどもそうでしょう。ですから、McCarthy教授の、常識について理解しようとする研究活動には賛成しますが、今の人工知能の分野には、他にも意義のある目標がたくさんあると考えています。もしGoogleが、常識についての理解が進むのを待っていたとしたら、今Googleは存在しないわけです。そして、Googleは今数十億ドルの企業になっています。

 私の研究室では、McCarthy教授もそのメンバーの一人ですが、人工知能については非常に広い定義をしています。そして、われわれは人工知能は大いに成功していると考えています。今日では、人間がコンピュータでやることには、ほとんどすべて人工知能が関係しています。Googleは多くの中の一つの例に過ぎません。Amazonで買い物をしようとすると、人工知能プログラムが顧客の興味を探し当てて、その結果を表示します。電話をする際にも、人工知能プログラムが利用者のデータを使って、電話の相手に声がはっきり聞こえるようにします。人工知能の研究が始まって以来、用途は無限に生まれています。

--農業、製造業、家事手伝いなどの分野では、労働力は十分に足りています。このことが、企業がそれらの分野のロボットの開発に目を向けるのを阻んでいると思いますか。

 それはいい質問ですね。もし人間がやっている仕事と競合するようなロボットを作ろうとしたら、非常に難しい事業になると思います。これは、人間の方がが概して優れた技術を持っており、しかも安くすむからです。労働力をアウトソーシングすることを考えるのであれば、その手のシナリオの多くは、単に人間の方が優秀で安いという理由で失敗するでしょう。ただ、これまでに開発されてきたロボットを見るとその値段は下がってきていますから、ある時点で逆転が起きて、特にアメリカのような国では機械の労働力の方が人間の労働力よりも安上がりになるかもしれません。これがロボットが人間を置き換えるというシナリオです。一方で、ロボットが人間の力を強化するというシナリオもあります。

 もっと効率的なロボットを作ることは可能か?私は、自動運転の車を作ることを考えるとき、人間の代わりを作ろうとはしません。むしろ、人間が効率的に活動できるようにしたいのです。そして、このシナリオでは経済的な問題も異なってきます。このシナリオでは、ロボット工学の技術を素敵なことに使えます。ウェブ上を動き回ってウェブの調査をするような「ソフトボット」のことを、ロボット言うことがありますね。これなどは、ロボットやソフトボットが人間の能力を尊重し、ものごとをより強力に、全く違う方法で活動できるようにしているよい例だと言えるでしょう。

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