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アマゾン、「追加料金なし」で攻めた2015年--プライム担当者インタビュー

2015/12/30 09:30
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 2015年はアマゾン ジャパンにとって攻勢の1年だった。9月には動画見放題サービス「プライム・ビデオ」を、11月には音楽配信サービス「Prime Music」を、さらに12月には商品を1時間で配送するサービス「Prime Now」を開始。また、これらをAmazonプライム会員向けに、追加料金なしで提供したことでも話題となった。

 Amazonプライムは、年会費3900円(月額325円)で、「お急ぎ便」を始めとする配送サービスを無制限で使えたり、毎月1冊無料で本が読める「Kindleオーナーライブラリー」などの特典が得られたりするサービス。同社は会員数を公開していないが、年間の成長率は50%を超えるという。

アマゾン ジャパン プライム・デリバリーエクスペリエンス事業本部 事業本部長の市川智基氏
アマゾン ジャパン プライム・デリバリーエクスペリエンス事業本部 事業本部長の市川智基氏

 アマゾン ジャパン プライム・デリバリーエクスペリエンス事業本部 事業本部長の市川智基氏に、同社のプライム戦略や配送の取り組みを聞いた。

--2015年の後半に、立て続けにプライム向けの新サービスを追加料金なしで公開しました。競合他社の動画見放題や音楽聴き放題のサービスが出揃ったタイミングのようにも思えます。

 各サービスを公開したタイミングについて詳細はお答えできませんが、社内でのさまざまな事情によるものです。また、アマゾンでは基本的に他社がどうだからということはなく、顧客にとって良いかどうかを最も大切にしています。ですので、一定の準備をして満足していただけるレベルになったため、それぞれのサービスの提供を始めました。

 ショッピングに加えて、エンタメの部分でもアマゾンというプラットフォームをより障壁なく使っていただけるようにサービスを充実させたいと思っています。年会費がかかるプログラムではありますが、ショッピングなら欲しいものが数時間ですぐ手元に届く。また、ビデオやミュージックも「これはいくらなのか」ということを気にせずに楽しめる。そんな環境を提供できることが一番大切だと思っています。

--Amazonプライムにおいて、課題があれば教えて下さい。


動画見放題サービス「プライム・ビデオ」

 課題は2つあると考えています。1つはラインアップの充実化。ビデオやミュージックでは、すでにご満足いただけるタイトルを揃えていますが、これを充実させサイトの使い勝手もより良くすることで、顧客にさらに便利に使っていただけるサービスにしていきたいと思います。

 もう1つは認知度の向上です。残念ながらこれらの新サービスをご存じない顧客はいらっしゃいます。それぞれ2015年の後半にローンチしたばかりという状況でもありますので、今後はより多くの方に知っていただき、アマゾンを楽しんでいただければと思います。

--ビデオや音楽サービスはすでに米国で提供されていましたが、このほか日本でまだ提供されていないサービスは。また、日本では年会費は3900円ですが、米国では99ドル(約1万2000円)と約3倍です。今後、日本でも値上げの可能性はあるのでしょうか。

 Amazonプライムのサービスについては、主要なものは今回ほとんど追加させていただきました。残っているのは、写真ストレージサービスの「Prime Photos」くらいでしょうか。サービスについては、今後も随時追加していきたいと思います。

 料金については、アマゾンは長期にわたってビジネスを考えることを基本姿勢としています。ですので、プライムについても今年がどうではなく、長いスパンで顧客に受け入れていただきたいと思っています。(値上げについては)将来についてはコメントできませんのでご了承下さい。

--注文から1時間以内で配送する「Prime Now」の仕組みを教えて下さい。

 皆さまがイメージされている、巨大な倉庫のあるフルフィルメントセンターではなく、比較的住宅に近いところに、専用のサービスセンターを設けています。注文が入るとその顧客が注文した商品のみをピックアップして袋詰し、配達員が顧客の家のみを目指すというものです。1時間以内に絶対に届けることをミッションにしているので、商品のピックアップの方法は、フルフィルメントセンターで培った商品をすばやく効率的に取っていけるシステムを活用しています。棚に在庫をあえて散らして入れていく方法ですね。

 配達には、Prime Nowのために提携した配送会社のバイク便とミニバンの集配車を使っています。やはりバイクの方が渋滞などでも止まりませんし、小回りがききます。顧客はドライバーがどこにいるのかリアルタイムにアプリ内の地図で確認できます。また、ビジネスパートナーである配送会社にご協力いただき、インターホンを鳴らした時には、宅配会社の名前ではなく「Prime Nowです」と言っていただくようにしています。


--配送メニューが充実する一方で、物流業者の負担が増すのではないかという声もあります。

 私たちから申し上げる立場ではないと思うのですが、当然パートナーの配送会社でも担当部署がきちんと配慮していると認識しています。特にPrime Nowは、早朝6時から深夜1時まで配送するため、無駄のない人員数も含めて、双方でいかに効率的に無理なく配送できるかということを都度お話させていただいています。

 何社かの配送会社とご一緒させていただいていますが、それぞれの会社から必ず司令塔となる方に入っていただき、本当に時間内に届けられるのかを確認いただいています。私たちも同じモニターを見て、コミュニケーションしながら対応策を決めています。ですので、私たちが無理強いをして、1人のドライバーが何百件も届けているといったことはありませんのでご安心ください(笑)。

--今後、Amazonプライムをどのようなサービスにしていきたいですか。

 繰り返しになりますが、いまある1つ1つのサービスを充実させることで、プログラムをより魅力的にすること。顧客のニーズは状況に応じて変化していくので、それをちゃんと理解して、配送面でもサービスの機能面でもブラッシュアップすることで、満足していただけるようにしていきたいと思います。

 また、アマゾンのプラットフォームとして、サービスを増やしていくことで、日常生活の中で、買う、観る、聴くといったことをこれまで以上に楽しんでいただけるようにしたいです。デバイスのチャネルも広げています。テレビに挿すだけで映像を楽しめる「fireTVstick(ファイヤーテレビスティック)」なども提供していますので、年末年始にご家族や友人で集まった際などに、ぜひ楽しんでいただきたいですね。

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