「Chromebook」は本当に仕事で使えるのか--グーグル担当者に聞く - (page 2)

 阿部氏 : すでにChromeブラウザでウェブアプリを使っていたり、「Google Chrome for Business」を組織内で利用している企業では、あまり移行の障壁がないので、新しいPCに交換する際などに切り替えていただいています。また、先ほどお話したキヨスクモードでの利用なども増えています。

 管理者の視点でいうと、シンプルな構成であることをご評価いただいています。端末が動かないなどのトラブルが起きても、Chromebookではソフトウェアのコンポーネントが影響しているといったことがなく、何らかの事情でハードウェアに問題が起きていることが多いので、予備の端末に取り替えていただくだけで済みます。また、シンプルな構成でれば、そうした事象自体が起きにくいのかなと思います。実際に米国で導入いただいた企業ではトラブルシューティングが数十分の1に減ったという例もあります。

 また、オーストラリアの小売大手であるWOOLWORTHS(ウールワース)では、従業員20万人に段階的に導入いただいています。経営者の方が、これまでのコラボレーションやコミュニケーションのシステムに不満を持っていて、自ら率先してChromebookを導入したり、テレビ会議システム「Chromebox for Meetings」を執務室に置いたりと、ウェブを中心としたシステムに切り替えていくと意思表明されています。

――海外では好調のようですが、このタイミングで日本市場に投入した理由は。また発表後の問い合わせ状況は。

 阿部氏 : ひとつは販売体制の構築によるものです。ある程度台数の出るビジネスですので流通やサポートに携わっていただく方々、そして何より端末メーカーの方々の準備があります。また、我々だけがレディでも市場がレディでなければビジネスになりませんが、ここ2~3年で日本の企業内でもウェブアプリが普及してきています。どうしても専用のソフトがないと動かないという領域はあるものの、それが全てという時代から様変わりしています。お客様からもセキュリティを考えたらウェブの方がいいんじゃないかという声も聞こえるようになってきたので、ここがいいタイミングなのではないかと判断し、企業と教育機関向けに提供することにしました。

 これは日本ならではの特徴だと思うのですが、一気に切り替えず、テスト的に数台を導入する企業が多いです。自社のセキュリティポリシーなどと照らし合わせながら、実際に業務でご利用いただけるかどうかを判断していただく。そこから成果が出てきたとか、心配されている課題などがクリアできた段階で大きく広げていく傾向にありますね。これは我々の製品に限らず、新しいものに取り組む際には同じことが言えると思います。

 問い合わせの状況については、販売をソフトバンクテレコムとミカサ商事にお願いしていまして、そちらには問い合わせが入っているようです。また、我々のところにも「Google Apps」のお客様などから問い合わせをいただいていまして、まずはそういった方々にご紹介するようにしています。

――やはり個人向けの販売にも期待したいところです。先日の日本エイサーの発表会では、「準備ができている」とのコメントもありました。

 阿部氏 : 一般販売については、現在も検討中としか言えません。やはり個人向けというのはマーケティングやPRという部分で生活に結びつけるなど、企業や教育機関とはまた違うと思いますし、もう少し考慮しないといけないことがあるのかなと思います。

 あくまでも私の推測ですが、(日本エイサーの発言は)モノ自体はあり、彼らは量販店などの販売チャネルもお持ちですので、そういう観点で仰っているのではないかなと思います。これまではキーボードも日本語ではなく、また技適(技術基準適合)の問題などもあったので、なかなか(国内販売の)目処がたたないところもあったのですが、そこがクリアできれば、モノの観点だけで言うと企業向けと個人向けはそこまで変わりませんので。

 実はうちの社内でも家庭用に買いたいという声はあるのですが、現時点では未定です。

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