キャンディークラッシュのKingが日本法人を設立--枝廣代表に狙いを聞く

 英国に本拠地を置くKing Digital Entertainment(King)が、2014年に入って日本オフィス「King Japan」を開設し、本格的な日本進出を図ることとなった。

 Kingは2003年に創業。さまざまなモバイル向けゲームコンテンツを制作してきたが、近年のヒット作は言うまでもなくパズルゲーム「Candy Crush Saga」(キャンディークラッシュ)。150を超える国々で配信され、累計ダウンロード数は5億を超えるとされている。

 日本法人設立の狙いや今後の展開について、ゼネラルマネージャーを務める枝廣憲氏に聞いた。枝廣氏は広告代理店の電通で、長年さまざまなマーケティングに携わったのち、gloopsのマーケティング本部長を経て現職としている。

枝廣憲氏
枝廣憲氏

--なぜ日本法人を立ち上げられたのでしょうか。

 Kingはグローバルカンパニーとして展開していて、キャンディークラッシュも世界中で受け入れられているコンテンツとなっています。日本においても一定の方々から支持も受けていますが、業界にいればみんな知っているという状態で、一般的な認知度があるとは言えません。Kingとしても僕個人としても、キャンディークラッシュが持つ不変的な面白さや楽しさは、日本のユーザーにもっと届くものだと考えています。

 そこまでに至ってないのは、マーケティング面で課題があるという認識ですし、Kingのコンテンツをもっと日本に広めていくことが狙いです。日本でキャンディークラッシュがもっと知ってもらえたら、さらにプレイヤーが増えると確信しています。僕のキャリアがそうであったように、マーケティングを期待されてここにいます。

--枝廣さんから見たキャンディークラッシュの魅力と、世界で受け入れられている理由はどこにありますか。

  • 「キャンディークラッシュ」

    (C) 2014 King.com Ltd.

 僕も1年以上遊び続けているファンでもありますが、すごくシンプルで取っつきやすいことと、継続性が深さにあると思います。レベルのバリエーションやチューニング、バランシングの面が絶妙だなと。クリアできるかできないかのハラハラドキドキすることころにゲームの魅力があると思いますが、その調整具合が緻密に計算されているところだと思います。

--日本における認知度向上の施策で考えられていることはありますか。

 さまざまな施策を考えていますが、その第一歩はテレビですね。世界で一番テレビを見ているのは日本人ですし、毎日90%以上の人が一定時間以上見ています。テレビで大きなインパクトを作ることが、マジョリティになれるひとつのポイントだと考えます。

 4月17日からテレビCMを放送し始めました。岡田准一さんと遠藤憲一さんを起用し、緊張感のある世界観と相反する2人の会話のギャップが見どころです。第2弾、第3弾も用意しています。

--以前、多部未華子さんを起用した明るい雰囲気のテレビCMのものとは、逆の雰囲気をもったものに見えます。

 広告が同じようなものだと、本当に同じに見えてしまうので、逆をいくことが大事だと考えます。僕もさまざまな広告を手がけましたが、業界に新しい風を起こしたり流れを変えるときにはまずは広告からで、そこでのインパクトは重要です。キャンディークラッシュはシンプルに遊んでいて楽しい雰囲気と、ソーシャルゲームの流れとは一線を画した、カジュアルエンターテインメントを提供していくことが伝わればと思っています。

 一企業とするとテレビCMを流すことは、対費用効果を考えると勇気がいることです。でも、いまだスマートフォンでゲームを遊ぶとなると抵抗感を感じる方、周りの目を気にする方もいます。そこで、みんなが知ってるゲームやコンテンツであって、遊んでいるのはおかしいことではないことを伝えるのが重要だと考えます。

--Kingのコンテンツが、日本で受け入れられる可能性をどのあたりに感じていますか。

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