PCのみならず、オンラインを前提としたスマートフォンやタブレットなどモバイル端末が急速に普及する中、通信ネットワークはこれまで以上にその品質も含めてかかせない存在となってきている。
ユーザーにとっては、ネットワークが使えなければコミュニケーションをとることも、情報を入手することもできない。オンラインビジネスを展開する企業にとっては、ネットワークが使えなけれそもそもビジネスにならないし、サイトの表示が遅いなどパフォーマンスが悪ければそれも収益に直結する。オンラインを前提とした生活があたりまえになるほど、通信ネットワークやそのパフォーマンスは重要性が増すわけだ。
こうしたモバイルも含めたウェブサイトのパフォーマンスを世界的に計測、監視している企業が、米カルフォルニア州サンマテオに本社を置くKeynote Systemsだ。日本の名だたる企業も同社のサービスを利用して、ビジネスに活かしている。Keynote SystemsのCEOであるUmang Gupta氏に、事業内容や今後の戦略などを聞いた。
我が社はオンラインビジネスやモバイルコミュニケーションの質を向上させるためのお手伝いをしたいと思っています。最新の技術を提供して、その技術を顧客が活用して試験をし、サイトのパフォーマンスを計測、監視できるということです。技術を提供していますが、それぞれの国や地域の事業展開では地元企業とパートナーシップを結んでいます。
日本の専門知識を持っているのは日本の企業ですから。試験や監視をする技術を提供することで、パートナーはほかの部分で協力してくれる。これがベストな方法で完璧なソリューションを提供できるのです。3社で協力して、スマートフォンサイトの構築やマネジメントに必要なサービスを提供しています。
世界中の大手企業2000社に技術やサービスを提供しています。たとえば、米国ではMicrosoftやAmazon。日本ではDeNAやグリー、リクルートや価格.com。メディア企業だとBBCなどです。また、200社以上のモバイル通信事業者にもサービスや技術を提供しています。たとえばVodafoneやT-Mobile、AT&T、日本ではNTTドコモやKDDI、ソフトバンクなどです。モバイルネットワークの試験を含めたサービスや技術を提供しており、新興国でも南米や東欧、アフリカなどで提供しています。
我が社はインターネットの健全性を確保できることを目的に、1995年に設立しました。企業がインターネットにおいてサービスを充実させていこうとする中で、たとえばECの分野でユーザー体験を計測するための、またユーザー体験が質の高いものであることを保証するための製品やサービスを提供するようになったのです。
約13年前になりますが、2000年になると本格的に事業を開始して3、4年経つともう2000社以上の顧客を有していました。1999年にはNasdaqにも上場し、広く知られる企業になりました。
我が社の顧客の3分の1が電気通信事業者です。残りの3分の2が銀行やその他大手の企業になります。電気通信事業者に対してはさまざまな問題解決に当たらなくてはいけませんが、エンドツーエンドで考えた場合、モバイルネットワークの質を保証しなければなりません。そのため、ネットワークの健全性を確保するために監視する技術やサービスを提供しています。
そのために、必要なのは「プロブ(Probe)」です。プロブは、「計測システム」のことで、ソフトウェアとハードウェアをコンビで提供しています。事業者がこれを購入し、自分たちのネットワークのありとあらゆる場所に設置し、トランザクションのシミュレーションをするのです。
シミュレーションの形態は、音声やSMS、ウェブブラウザ、電子メールなどあらゆるもので、そのネットワーク内において活発な試験をし、その結果によってKPIを得ます。それを元に電気通信事業者は質の高いネットワークを保証できるわけです。もし、それができていないということが発覚した場合には、その状況を修正していきます。
このようなシステム環境において、世界的なリーダー格であるドイツ系の企業であるシーガルズを7年前に買収しました。その企業が提供していたサービスは「SITE(Sigos Integration Testing Environment)」。それと同時に、「GlobalRoamer」という製品も提供しています。
このGlobalRoamerは、世界全体でエンドツーエンドの質の高い通信サービスが提供できているかどうかを、ローミングに対して試験して、確認できるようにします。すでに、NTTドコモとKDDIにも提供しています。
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