iPhoneアプリ版iQONで急成長のVASILY--「24時間好きなことだけ真剣にやる」 - (page 2)

 それでヤフーを説得して始めたのが「Yahoo! FASHION」(2011年12月に終了)。2007年頃かな。その時に(VASILYのCTOである)今村(雅幸氏)と出会った。社内エンジニアの彼と一緒にいろんなサービスを調べて。もう「隙あらばいつでも起業してやる」と。

--起業する、と決めてからまず何をやりましたか。

 とにかく知り合いのお金持ちに電話しまくりました(笑)。そしたら本当に声がかかって。プロダクトもないアイデアだけの提案書に高額の評価を付けてくれました。ただ、自分の株式の割合が50%を切っていたので「決定権がないならやるな」って直感してしまって。それでお断りしました。

 そこからはヤフーを辞めるまでの間、週末とかを使って起業の可能性をずっと探ってました。結果的にiPhoneアプリを作れないか、という依頼があって、それをきっかけに2009年4月に会社を辞めて。そこからはiPhoneアプリの受託が次から次へとやってきたので、ほとんど営業しないのに数千万円も利益が出てましたね。

--受託開発で利益が出ているのに、2011年にファイナンスをされました。そのまま受託開発しながらiQONを続けるという選択はなかったんですか。

 スピードを優先するためです。自分の家庭環境が少し変わってて、両親がともに事業家なんです。社長でもある母親は、小学生の自分に向かって「人生はスピード」と口癖のように言ってました。当時は訳が分からなかったですが、今思えばDNAですね。競合が徐々に増えてくるなか、俺たちこんなスピードで間に合うの? と思うようになって。小銭稼ぐためにスタートアップしたわけじゃない。

--事業のゴールってどこにあるんでしょうか。

 iQONのゴールは「ライフスタイルを変える」ということです。iQONというツールを使って、その人の服の選び方、買物の仕方が少しでも便利になって、多くの人が現実世界のファッションをもっと楽しんでくれるようになれば、それがゴール。そういう人間の生活をよりよい方向に変えたいし、それを日本、アジアから実現したい。

 リターンのあるリスクって取った方がいいと思うんです。たとえば、ここで100万円賭ければ0円か200万円になるかもしれないっていう機会があれば、そのリスクは負うべきだと思っています。確かにリスクが現実になることはあります。でもね、人ってそういう時、火事場の馬鹿力って言うんですか、なんとかなるものなんです。

 勝ち負けで決まるような場所があれば、挑戦すればいい。人生は有限です。だったら24時間好きなことだけ真剣にやればいいんです。

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