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「Raindropとの統合もあり得る」--Thunderbird進化論を聞く
オープンソースの代表的メールクライアントソフト「Thunderbird 3」の正式版が、当初の予定よりは遅れたものの、ついに公開された。2年半ぶりとなるメジャーバージョンアップだが、最新版となるThunderbird 3はメールクライアントソフトの正統な進化を遂げていると表現できる。メールクライアントソフトに求められる機能を改良、もしくは新しく追加されているからだ。
その一つがメールの高速検索だ。これは「Gloda」と呼ばれる検索エンジンを新たに搭載して、すべてのアカウントとフォルダを対象にした全文検索を行えるようになっている。
最新版のThunderbird 3はどのように開発されていったのか、何を求めていたのか。開発するMozilla Messagingの最高経営責任者(CEO)であるDavid Ascher氏に聞いた。
●カレンダーもIMも組み込まず
――2年半ぶりのメジャーバージョンアップとなりますが、これだけ時間が経ってしまったのはどういう理由からでしょうか。
Ascher:前版のThunderbird 2は2007年4月に正式版を公開していますが、実際に使ってもらっているユーザーに満足してもらえていたので、次版を出さなければいけないという危機感がなかったということが一つあります。それから、Thunderbird 3を開発する上で、開発チームを強化することにも専念しました。それも時間のかかった理由になります。
――Mozilla Messagingが立ちあがったころ、Thunderbird 3の開発にあたってインスタントメッセージ(IM)を組み込むとの計画もあったようですが、実際にはThunderbird 3にIMは組み込まれていません。
Ascher:Mozilla Messagingとしては新しいメッセージングをユーザーに提供したいという思いがあります。その中でIMを取り込むということもあったと思います。しかし、IMをThunderbirdに取り込むには、影響が大きく、アーキテクチャを設計し直す必要がありました。
そこでIMを含めた新しいメッセージングを提供するものとして、われわれは「Raindrop」を開発を進めていて、IMはRaindropに組み込むことにしました。
――Thunderbird 3の開発を進めるにあたり、Microsoftの「Outlook」と同じように、カレンダー機能を組み込むという計画もあったと思います。
Ascher:カレンダー機能はThunderbird 2のころから「Lightning」という拡張機能で追加することができます。
カレンダー機能をThunderbird 3に組み込むために、われわれは検討をしています。実際にユーザーがどのようなカレンダー機能を使用しているかを調べています。その中で分かったのが、ユーザーのカレンダーの使い方がさまざまだということです。
Outlookにあるようなカレンダーを気に入っているというユーザーもいれば、「Google Calendar」を拡張機能としてThunderbirdに追加しているユーザーもいました。そうしたユーザーの期待に応えるために、カレンダーを組み込むのではなく、拡張機能としてユーザーに自由に追加してもらおうと決めました。
――その拡張機能ですが、ブラウザの「Firefox」ほどThunderbirdは多くないように感じます。これはどういう理由からでしょうか。
Ascher:確かにFirefoxには多くの拡張機能があります。これは、Firefoxが拡張機能をつけやすい設計であることが大きな理由です。加えて、Firefoxの場合、拡張機能を開発するためのドキュメント類が充実しているということも大きな理由になっています。こうした点を踏まえて、Thunderbird 3では、従来よりも拡張機能をつけやすいように工夫しています。
――今回のThunderbird 3では検索機能の改善に注力されています。これはどうしてですか。
Ascher:メールの数が以前よりも多くなってしまっているという事実がまずあります。そのためにユーザーはメールを処理するために多くの時間を割かなければならない。そうしたことを防ぐために、ユーザーが処理すべきメールを見つけやすいよう、検索機能を大きく改良しています。
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