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ウィル・ライト氏、「SPORE」「The Sims」、科学を語る - (page 2)

文:Eileen Yu(ZDNet Asia) 翻訳校正:川村インターナショナル 2008/08/25 07:00

ということは、コンテンツの共有を、The Simsに比べてよりシームレスなものにしたのですか。

 はい。The Simsのプレーヤーは、多くの問題がありながらもそれを乗り越えてコンテンツの共有を楽しみ、数も膨大のものとなりました。だから、もし問題を解消して共有をより簡単にしたら、どれだけ楽しんでもらえるだろうかと考えたのです。

 Sporepediaに関して出てきている数値は興味深いもので、非常に好調な出だしを切ったことを示していると思います。わたしたちは、「The Sims2」でもキャラクタークリエーターツールをゲームの発売前に提供しました。ゲームの発売までに10万のコンテンツが作られるという当時のわたしの予測はほぼ当たりました。SPOREでは、ユーザーが作り出しているコンテンツの量がけた違いに多くなっています。

The Simsシリーズは世界で1億本以上を売り上げ、史上最も売れたPCゲームシリーズとなっています。このゲームのコンセプトを考え付いた当時、このような驚異的なヒットは予想していましたか。

 The Simsに関しては、失敗作となるか、大ヒット作となるかのどちらかだと予想し、中間はあり得ないと考えていました。ただ、これほどのヒットになるとは予測していませんでした。

ヒットの要因となったのは何だと思いますか。

 もっとも大きな要因は、プレーヤーにストーリーテラーの役割を与えたことだと思います。わたしたちがプレーヤーの体験を支配する形でストーリーを押し付けようとするのではなく、オープンエンド性を高くしました。プレーヤーは、ゲームプレイの中で自然にストーリーを作り上げ、それをありのままに解釈し、それぞれのストーリーを別のプレーヤーと共有し合うのです。The Simsで高く評価されたのはこの点、つまりプレーヤーの想像力が許す限りあらゆる方向へとストーリーを展開させられるということだと思います。

これまで、有名人の起用やマーチャンダイジングをゲームの中に取り入れてこられましたが、最近はIKEAの追加パックが発売されました。これは、EAが今後も取っていくマーケティング戦略なのでしょうか。

 わたしたちは、特にアジア市場では、マイクロトランザクション(少額決済)など数多くのビジネスモデルを実践し始めています。SPOREとThe Simsでも、将来的にはそのような可能性を探っていくことになると思います。

 アジアで学んだことの多くは、最終的には世界中で実践されることになると思います。アジアはある意味、業界が進化していくための試験場となりつつあります。そして、アジア向けに開発されたモデルは、最終的に米国やヨーロッパでも支配的なモデルになると期待されています。

それは、アジアが巨大なブロードバンド市場だからですか。それとも巨大な市場規模が理由ですか。

 理由は数多くあります。アジア市場は急速に発展しており、固定観念が全くありません。米国では常に発想が硬直化してしまい、自由なアイデアを打ち出すのが難しくなっています。ヨーロッパも、非常に多くの点で米国とよく似ています。

 それに比べ、アジアははるかに実験的であり、分野によっては技術面でほかの地域を追い越しています。アジアでの携帯電話の普及は、世界の大部分の地域を追い抜きました。アジアは、まさにフロンティア時代の米国西部のような地域だと思います。

シンガポールやフィリピンなどのアジア諸国は、ゲーム開発の地域拠点になろうとしています。なにかアドバイスはありますか。

 山ほど実験して、山ほど失敗することです。現在の状況は、フロンティア時代の西部やゴールドラッシュなど、米国の歴史を思い出させます。人々は巨万の富が得られると知っていたからそこへ向かい、多くの人が先住民に殺されましたが、それはある程度予測できたことでした。報酬にはリスクが付き物なのです。アジアでは大きな報酬が得られる可能性がありますが、もちろんリスクもあります。市場としての実績がなく、また伝統的市場が多く残っているためです。

 しかし、このような状況に対処する場合、必ず対処法があり、さまざまなポートフォリオ手法をとることができます。うまくいく方法もあれば、うまくいかない方法もあります。それが、統合を促進するのです。10人がそれぞれ完全にランダムなリスクを冒すより、すべてのリスクを1つにまとめてしまったほうが良いでしょう。7人が失敗しても、あとの3人が7人の失敗分を埋め合わせる以上の成功を収めることができるのです。

ということは、試行錯誤を繰り返し、少なくとも3人は生き残ることを期待するということですか。

 はい。成功するために必要な回数だけ、何度も賭けに出るべきだということです。

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