販売店ではMacをどう見ているか?--ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店マネージャに聞く

坂本純子(編集部)2008年05月02日 17時19分

 第2四半期の決算で、Mac出荷台数が前年同期比で51%増加し、230万台となったと発表したアップル。2007年にマイナス成長となった日本のPC市場で、前年比で2桁のプラス成長を遂げた数少ない企業のひとつだ。アップル自身は、製品別の販売台数などは正式には明らかにしていないが、BCNによればiMacでアップルのシェアが倍増したと報じられており、順調にシェアを伸ばしているのが伺える。

 実際の販売の現場ではMacをどう見ているのだろうか。ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店、アップルコーナーを担当するマネージャ 家電製品アドバイザーの高橋克仁氏に話をきいた。

なぜMacが選ばれるのか

ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店、マネージャ 家電製品アドバイザーの高橋克仁氏 ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba店、マネージャ 家電製品アドバイザーの高橋克仁氏

──アップルは、大きなところでは2007年8月にiMac、10月にMac OS X Leopard、さらに2008年1月にMacBook Airと製品を出していますが、客層や販売状況などの変化はどうでしょうか。

 以前のユーザー層は従来のMacのユーザーが多かったのですが、BootCampでWindowsが載せられるという話しが出たあたりから層が変わってきました。PC市場としては、デスクトップよりもノートが伸びている状況で、Macに関しては数字を見ますとiMacも伸びてはいますがMacBookのほうが多いです。Windowsが使えるいう話しがでて1カ月~2カ月ぐらいしてから伸び始めて、今でも伸びています。

──どんなMacが売れているのでしょうか。また売り上げ状況は?

2008年2月に発売のMacBook 15万4800円(MB403J/A)がもっとも売れ筋という 2008年2月に発売のMacBook 15万4800円(MB403J/A)がもっとも売れ筋という

 MacBook 15万4800円(MB403J/A)です。購入される方の4割ぐらいはMacBookですね。在庫も一番多く持っています。年齢は、25歳前後の方が多いです。MacBook Airは、MacBookが10台売れたとすれば、MacBook Airは2~3台という感じでしょうか。ただ、2割以上はいっていますね。

 売り場の客層を見ると、20代前半から、40代ぐらいまで。年配の方はあまり来ないようです。高校生はiPod関連は来ますが、PCにはあまり来ない印象ですね。

 昨年Leopardが発売になりだいぶ経過しますが、まだ伸びている状況です。MacBook、iMacともに伸びていています。具体的な販売金額や台数などの数字は言えないのですが、100%以上はいっています。前年度のシェアとしては、Windowsよりも伸びています。市場としてそうですが、前年度よりも販売シェアがおちている中で、Macの割合が伸びているということです。

Windows機としてMacを選ぶ

──どういう理由でMacを選んでいるのでしょうか

店内でもBootCampデモを行っていた 店内でもBootCampデモを行っていた

 MacBookを買ってWindows機として使おうと買って行かれる方も結構いらっしゃいます。iMacは、見た目どおりWindowsよりも場所をとらないという点、デザイン性、そしてWindowsと違う点はソフトウェアですね。

 よく言われるのは、Windowsはソフトがたくさん入っていると。でも、突き詰めていくと、使えるソフトがない、とおっしゃるんです。Windowsには、家計簿やゲームだとか、全般的に入ってはいますが、果たしてどのぐらい使えるものが入っているのかと。そういった点で、Macを求めている方も多くいます。

──インテルMacでなかったら、今のような状況にはなっていなかった?

賑わうアップルコーナー 賑わうアップルコーナー

 そうですね。インテルMacになってから格段に変わってきました。かつてのPower PC時代は、それがどのぐらいのレベル(パワー)なのか。たとえば学校で使う場合にはどうなのか、ということがわかりにくかったんですね。それが、インテルのCPUになったことで、どなたにも、これはこの程度なんだなと。じゃあWindowsのあのパソコンよりもこれのほうがいいかなというように、迷わなくなったということですね。

 MacBookの一番下のモデルとWindows機の値段を比べてみますと、性能は完全にMacのほうが上なんです。スペックだけで見る方でしたら、中のソフトはあまり見ませんので、Macのほうが安いなと。

 いまMacを買う人は、Windowsを持っているという人が多い。雑誌などを見て「Macっていいよね」、と買おうとしたときに、昔のデータなどもありますから、やっぱりWindowsが動かないと、となる。Windowsはないとダメだというところじゃないでしょうか。

 ユーザーがWindowsも使えるという利点を理解し、求めています。まだまだMacは伸びますね。

BootCampパブリックベータ発表から現在までのMacの流れ ※クリックすると拡大画像が見られます

──Windows機としての使い方も多いということですが、どのぐらいでしょうか

 Windowsも一緒に買う人は、確率としては、MacBook購入者の6割。iMacでは半分いくかいかないかだと感じています。Mac Proはまずないですね。販売台数そのものが、Mac Proは少ないです。MacもWindowsも使えるのなら、と会社関係で買い替えをする方もいます。20万円ぐらいのiMacを購入すれば、2台買うところを1台で済んでしまうわけですから。

──それは驚く数字です

インストールサービスの効果は大きそうだ インストールサービスの効果は大きそうだ

 有料のWindowsのインストールサービスもやっていますので、ポイントでそのサービスを利用される方も多いです。即日インストールしてお渡しできます。個人的な感触としては、OSを買う人のうち、インストールサービスを利用する方は、家族で来られた場合は100%です。学生さんの場合もほぼ100%です。女性の方もほぼ100%ですね。全体としては、5人に1人ぐらい、あとは自分でやるという印象です。

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