B・ゲイツ氏:「MSがヤフーを必要とする理由」(前編) - (page 2)

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:吉武稔夫、佐藤卓、高森郁哉2008年02月22日 08時00分

--人材についてうかがいましたが、企業文化の違いはどの程度大きな問題だとお考えですか。こうお尋ねする理由は、つまり、人材をつなぎとめておく鍵として明白なのは、彼らが本当にMicrosoftで働きたいと望むような環境を確保することだからです。文化に大きな違いがあると思いますか。

Gates:われわれはここシリコンバレーに、「Microsoft Mediaroom」や「PowerPoint」のような素晴らしい製品を作って大成功を収めたグループを擁しており、研究所も構えています。Yahooは画期的なソフトウェアを作ることを望んでいます。Yahooのエンジニアたちは、Googleであれ何であれ、競合する相手に対し最大限の力を発揮して戦いたいと考えています。従って、文化が本当に違うとは思っていません。仮にYahooが、単にメディア企業となる方向に進んでいて、ソフトウェアの革新が彼らにとって重要だと表明していなかったなら、われわれとの間に接点はなかったでしょう。なぜなら、われわれは画期的なソフトウェアを求めているからです。共通する土壌があるからこそ、検索やポータルなどさまざまなことに取り組むことができ、それらをまったく新しいレベルに引き上げることができるのです。

 これは(Yahooの最高経営責任者)Jerry Yang氏の功績ですが、Yahooはトップクラスのエンジニアを多数確保し、彼らがきちんと自分の仕事をして、担当したものを向上させてきました。こうした実績があるからこそ、両社の組み合わせが非常にパワフルだと考えられるのです。

--これまで多く語ってこられたことの1つに、新しい「デジタルの10年」(digital decade)という考え方があります。今はまだ実現できていないものの中で、デジタル技術を通じて今後数年のうちに可能になるものには、何があるでしょうか。

Gates:そうですね、あらゆるものが進化しているわけで、物事は最初ごくわずかな人たちから始まり、大きく広がって、やがては、少なくともより先進的な市場の若者の間では、当然のあり方として常識になります。

 今の携帯電話は写真機能を備えていて、写真の共有や利用が簡単にできます。携帯電話がユーザーとやり取りできるようになれば、ユーザーが関心を持つ情報を見つけるようになるでしょう。次の10年には、このような、今はまだ当然とはいえないことが多く実現するでしょう。今でも、注意深く見れば、位置情報を活用したソフトウェアやインタラクティブなテレビといったものを見つけることができるでしょう。しかし、10年間のうちに、これらは劇的に増加し、質的な変化が起こります。なぜ撮影にフィルムを使っていたのだろう、なぜテレビはあれほどチャンネルに縛られていたのだろうと、過去の常識がほとんど笑い話になるでしょう。

 今日のデジタル革命による本格的な変化がまだ起きていないものはたくさんあり、本を読む、メモを取る、テレビを見るといった行為がそうです。たとえ、一部の先進的なユーザーはいるにしてもです。しかし今から10年後には、主流のユーザーたちは、そうあってしかるべきだと常に考えられてきたことを行うようになるでしょう。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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