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退任間近のアドビCEO、チゼン氏に過去と未来を聞く
Adobe Systemsの最高経営責任者(CEO)、Bruce Chizen氏は去り際を見つけた。
Adobe Systemsは今年、同社のメディアオーサリングパッケージ製品「Adobe Creative Suite 3」の導入に成功し、収益面で2桁成長を続けている。将来に向けても、財政面、戦略面の両面で安泰に見える。
これを受けて、Chizen氏は退任し、CEOの座を現在の社長兼最高執行責任者(COO)であるShantanu Narayen氏に譲ることを決めた。Narayen氏は12月初旬に社長兼CEOに就任する予定となっている。
Chizen氏はCEOとしての7年(そして同社での14年)の間、Adobeの劇的な変化を統率してきた。その中でも最大のものは2005年のMacromediaとの合併だ。デザイナーを相手とするIllustratorなどの製品にとどまらず、今ではAdobeは創造的なプロフェッショナルに加えて一般消費者や企業も含む、非常に幅広い顧客を相手とする製品ラインアップを持っている。
「すべてを注ぎ込むような」CEOの仕事からの計画的な退任を発表した後で、Chizen氏はCNET News.comのインタビューに答え、Adobeの戦略、今後の展望、そしてインターネット業界全般について語った。
―あなたは、退任にこの時点を選んだのは、この退任がAdobeの財務状況とは関係がないことを示すためだと話していますね。その一方、AdobeのMicrosoftとの競争は確実に激しくなっており、潜在的にはGoogleとの競争もあります。このタイミングにはどういう意味があるのですか。
わたしがこの仕事をしている間、Microsoftとの競争は常にありましたし、Googleについてはプレイヤーがまた1つ増えたに過ぎません。競争は常にあるものなのです。
これは、わたし個人の問題でした。わたしはこの仕事を永遠に続けたいとは思っておらず、Adobeがいい状態にあって自分が辞められる機会を探していました。
Adobeはわたしに多くのことを与えてくれ、わたしの野心的な夢を満たしてくれ、あるいはその夢を超えてくれました。そして、この会社がよい状態にあるときに辞めたいとわたしは考えていました。
われわれがこれまで達成してきたこと、これから達成しようとしていること、Adobeが今期対前年比でプラス22%の成長をとげていること、そしてAdobeが成長が期待できる位置にいることなどを考えると、わたしはこれまで自分がしてきた判断を満足に思います。そして、今回の退任はその延長線上にあります。
―電話会見での発言の中で、7年前から現在までに変わったことのひとつに、Adobeがプラットフォーム企業になった点があると述べていましたね。また、今ではAdobeは以前よりもずっと多角経営の企業になっています。プラットフォーム企業であることの強みとは、どういうものでしょうか。
エコシステムが立脚するプラットフォームを持っていれば、企業はそのプラットフォームを活用したソリューションを作り出す原動力を得ることができます。実際には、Adobeは創業当時からプラットフォーム企業でした。ただ、自分でそうは考えていなかっただけです。
PostScript技術やIllustratorのようなアプリケーション、PostScriptを活用した他のソリューションを世に出すAdobeの能力を考えてみてください。また、われわれがAcrobatやAdobe Readerで達成したことを考えてみてください。
われわれは、このプラットフォーム上で企業向け製品として「LiveCycle」を発表しました。また、MacromediaがFlashのオーサリングや「Flash Media Server」でしてきたこともそうです。
わたしは、わが社にこれらのプラットフォームの価値とその意味について考え、その洞察の上で新しいアプリケーションを開発していくことを奨励し、行わせようとしてきました。
―Adobe MAXカンファレンスでは、Adobeがサービスで収益を上げようとしていることが明らかになりました。しかし、これはAdobeのこれまでの路線にはなかったことです。これまでの収益源とビジネスモデルを壊さずに、どのようにオンラインソフトウェアを活用していくのでしょうか。
ビジネスモデルは常に変わります。考えてみてほしいのですが、AdobeはかつてPostScriptを一握りのプリンタメーカーに売る企業であり、そこから何百万ものエンドユーザーにパッケージソフトを売る方法を考え出さなくてはなりませんでした。また、われわれはLiveCycleなどの企業向けソリューションを、大企業のIT部門に売る方法を考えなくてはなりませんでした。
サービスは、Adobeが経験しなくてはならないさらなる強化、あるいはシフトに過ぎません。わたしはAdobeにはこれが可能だという確信を持っています。幸運なことに、われわれはなによりもまずテクノロジー企業です。そして、ハイテク産業では、正しく技術を使えば、他のことの答えはすべて出せるとわたしは考えています。
サービスの分野にもわれわれは既に参入しています。売上の観点からはまだ小さいものですが。「Create PDF Online」は、かなり長い間サービスとして登録制で提供されています。
Adobeが「Premiere Express」でViacomやYouTube、PhotoBucketなどに動画編集サービスを提供していることを考えてください。また、Photoshop Expressでやろうとしていることを考えてください。これはサービスの提供です。
今後、われわれが持つ技術をこれまでとは違う形で提供し、収益化していく姿を見てもらうことができるでしょう。Adobeは、現在の収入源の多くはデスクトップのパワーを必要とする製品が多いのでフィールドで実験ができるという有利な条件を持っています。われわれの主な収入がデスクトップのコンピューティングパワーに依存しているため、新しいビジネスモデルがどう働くかを実験する時間を取ることができるわけです。
―では、デスクトップソフトウェア分野は、まだしばらく安泰だと見ているということでしょうか。Creative Suite 3の売上を見ればまだ堅調に見えますが。
そうですね。今年のわが社の売上は、対前年比で約22%成長となる見込みです。これは、大きな画像を操作したりウェブサイトをレイアウトしたりアニメーションを作ったりする際には、成果の品質を考えれば、プロフェッショナルであればデスクトップのパワーを欲するだろうということを示しているのだと思いますね。CNETも、そのような重い仕事についてはホストソリューションは使っていないと思いますが、どうですか。
―ローエンド市場での競争については、写真の編集などで多くのウェブウェアや無料のソフトウェアが出ています。これに後れを取らないようにするために、どのような手を打っていますか。
われわれは、Adobeの製品が最良のソリューションであり、顧客が結局Adobeを選ぶという状況を作ることに注力しています。それがホストソリューションであるか、デスクトップソリューションであるかは関係ありません。わたしは、多くの人がPhotoshop Expressに好印象を受けるだろうと思っています。
Premiere Expressは確かに評価されていますし、競争の場でわれわれを差別化してくれるものになるでしょう。現在、無料の写真編集ソフトにはPicasaがありますが、Photoshop Elementsは依然としてこの分野のトップです。
―Microsoftは明らかにAdobeのより多くの分野で後を追ってきています。Microsoftの競争は公正だと思いますか。
それはわたしが判断することではありません。Microsoftが公正に競争を行っているかどうかは、本来規制当局が決めることです。わたしの仮定は--そして欧州委員会がこの仮説の正しさを示してくれていると思いますが--もし何か問題があれば、世界のどこかでそれを止めるための規制が行われるだろうということです。MicrosoftがWindows Media PlayerとWindows XPに関して行っていたことについて第一審裁判所が下した判断は、その良い例です。
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