就任から2年--マイクロソフトのターナーCOOに聞くソフトウェアプラスサービス戦略 - (page 3)

文:Ina Fried(CNET News.com)  翻訳校正:吉井美有2007年07月25日 08時00分

――Microsoftのあり方が1年前とは違うという話をレポートカードを引き合いに出しておっしゃっていましたね。レポートカードの内容を教えていただけますか。

 わたしが非常に強く自信を持っていることのひとつに、イノベーションを市場に持ち込むというアイデアがあります。そこで起こることを見るのはすばらしいことです。2008年はどうなっているでしょう。わたしはわれわれの能力を強く確信しています。Microsoftは、イノベーションを市場に投入し、それをパートナーに提供して彼らの付加価値につなげるための施策に70億ドル超を投資しています。すごいと思いますね。

 もしこれとは逆の立場を取って「まだ満足していないのはどこか」となると、ソフトウェアロードマップを、パートナーにとってより明快で理解しやすいものにしていく機会があると考えます。われわれは前進しています。実際、Microsoftには事業単位ごとのソフトウェアロードマップがあります。しかし、見てみると質的水準はいろいろです。そして現在は、これをチャート化し、共有して競合情報分析で堅固なモデルにしていくという実践の途上にいます。パートナーに歩み寄って彼らの事業計画に資するものを提供することができるよう、われわれは継続的改善を続けています。

 もう1つお話したのは、収益をあげる機会を創出することです。これらのパートナーモデルはすばらしいと感じています。現実のものなのです。でも、これで完璧だと言っているわけではありません。繰り返しになりますが、仕組みを解明したと言っているわけではありません。解明したわけではないのですから。しかし、これは新たな始まりです。新たな収益モデルは、パートナーの収益創出の練習の場ともなるでしょう。レポートカードについては、わたしがこれをおもしろいと考えている理由は、ツールをつくることで、われわれがパートナーと同じ計算式と論理で、収益性ですべてをとらえることができる点です。ですから、パートナーにそうした機会を提供するのと同時にわれわれ自身も成長するのです。

――これはパートナーが使用するオンラインの収益管理ツールですか。

 そうです。パートナーの種別に応じて9つのモデルを使えます。

――1年前におっしゃった目標として、Microsoftが1つの企業体として行動しているように見えるようになるというものがありましたね。あなたが進めていることはそれだと思うのですが、すべてを自分でできるには至っていないと思います。

 たしかに大きなチャレンジです。現在われわれは191カ国で製品を販売しています。事業ポートフォリオも実に広大なものになっています。エンドユーザーから個人消費者までをカバーし、また世界中の大企業や政府組織にも製品を販売しています。製品が非常に多いので--顧客やパートナーは気にかけないことですが、事業部門や部署ごとに組織構造やガバナンスなども多様です--協働して製品をパートナーに届ける取り組みはわれわれにとって大きな成長の場なのです。Microsoftでは初めて1人の人間にそれらすべてを集約させました。今以上によくなるはずです。パートナーと顧客は、われわれの組織の複雑さを気にかけることはありません。Microsoftがどれだけ大きかろうが、何を売ろうが、彼らの問題ではないのです。彼らが求めているのは簡明さです。わたしは、Microsoftにそうした簡明さを志向させ続けるのも自分の役割だと考えています。

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