チゼンCEO、アドビのオンライン戦略を語る - (page 4)

文:Mike Ricciuti(CNET News.com) 翻訳校正:編集部 2007年03月14日 08時00分

--Apolloについての予定はどうなっていますか。

 最初の開発者向けリリースは、6月か7月を予定しています。3月頃にはAdobe Labsで何かをし、秋には最初のリリースを行いたいと希望しています。

--ハイブリッドモデルは、このごろはMicrosoftからもSoftware plus Servicesといういい方で出てきていますが、これはあなたがAdobeを持って行きたい方向ですか。

 総体としてはそうですが、実際には製品やソリューションによってその程度は異なります。計算量が多いソリューションについては、処理のほとんどは依然としてデスクトップ上で行う必要があるでしょう。PhotoshopやIllustrator、InDesignなどのアプリケーションがこれにあたります。リモートで雑誌のレイアウトを行うのは、難しいかもしれません。ですが、雑誌に寄稿したりということは、ホストベースになり得るかも知れません。従って、これらはすべてハイブリッドになりますが、どの程度の処理がホストで行われ、どの程度がデスクトップで行われるかはアプリケーションによります。リアルタイムの共同作業やAcrobat Connect関連のものは全面的にホストベースです。このように、ユーザーやアプリケーションによるというのが本当のところです。

--全てのアプリケーションが部分的にはハイブリッドの側面を持つと期待しているわけですか。

 長期的には、そうです。実際、Creative Suite 3でさえ、ほとんどのアプリケーションが現在Adobe Labsで使っているカラーマネジメント関係のものを利用しています。洗練さとOSとの密接な結びつきが必要なアプリケーションも明らかにありますから、そういうものについてはC++や重い仕事のためのプログラミング言語を使いたいと思うでしょう。

--Creative Suite 3とVistaについて聞かせてください。CS3はVistaの新しいグラフィック機能や他の側面を活用することになるのですか。

 いいえ。1つの理由は、Vistaが実際にいつ出荷されるかということと、われわれ自身のスケジュールのタイミングの問題でした。われわれにはよく分からなかったのです。またもう1つの理由は、特にクリエイティブな顧客について、どのくらいの数の顧客が本当にインストールされたVistaを使い、仕事に見合う効果が出るかということでした。われわれにはMicrosoftの技術を売り出したいという欲求が特になかったということもあります。ただし、Vistaとも互換性はあります。一方でIntel Macでは、機能をフルに生かしています。われわれはIntel Mac互換にするためにアプリケーションを再コンパイルしなくてはなりませんでした。

--Microsoftは本当にAdobeのクリエイティブな顧客層を追ってくると思いますか。

 MicrosoftがAdobeを狙ってきているかどうかは分からないのですが、Microsoftがわれわれの参画している領域の多くに入ってきていることは確かです。これが直接的な攻撃なのか、彼らが行っている活動の副産物なのかはわかりません。われわれはPDFやとFlashによって、Microsoftを含む他のどこよりも強くエンドユーザーにリーチしています。デバイスの観点から見ると、われわれは非常な強みをもっていますので、私は彼らはこれが気に入らないのではないかと思います。彼らに聞いてください。

 文書交換の標準を見ると、文書の作成については.docが標準ですが、文書の共有の標準はPDFです。私は彼らはこれを嫌っているのではないかと考えています。ただ、私は本当に彼らがPDFが標準だということや、Flashがアニメーションの標準だということを嫌っているわけではないと思います。むしろ、ユーザーが情報を作り出す時、テキストと表計算以外ではAdobeのソリューションを使っているということを嫌っているのではないでしょうか。

 あなたがMicrosoftなら、PDFを置き換えたいと思うでしょう。それが彼らがXPSでやっていることです。Microsoftはツールを発表し、開発者コミュニティをExpressionsで梃子入れしようとしています。彼らは大きな企業で、売り上げも多く、資源も豊かです。彼らは独占主義です。ですから、彼らがやっていることはなんでも小さなことと考えるわけにはいかないのですが、われわれも全速力で動いています。われわれは彼らがAdobeを追ってくるだろうと予想していましたが、それには、想像していたよりもかなり時間がかかりました。とはいうものの、彼らの資金力と彼らがいくらでもそれを続けられるということについては、心配しています。

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