もちろんです。「種」というのは難しい問題です。新しい化石が発見される度に、それが本当に異なる種かどうかということが大きな問題となります。タイムマシンが発明されるまでは、異種交配できるかどうかという明確なテストもできませんし(これが種の定義になります)。このため、化石の記録に対しては異なるスタイルのアプローチが必要になります。一部の人たちは種を多めに考えていますし、一部の人はより保守的です。今回の発見には、ホビットの祖先も含め、まだ面白いものがたくさんあることを考えさせられました。現在、人々はそれを狙っています。彼らはフィールドでも探していますし、博物館の引き出しも探すでしょう。このような発見が起きると、人々が戻ってほこりをかぶった引き出しをあさり、何かを見つけることがよくあります。
誰もが、「自分はどこから来たのか」ということに興味を持っています。大きな意味で--われわれはどこから来たのでしょうか。私は、この問題は本質的に面白いのだと思います。しかし今はそれに加え、この国は創造論をめぐる議論の中にあり、政治的、宗教的、社会的な力もあります。ですから、「自分はどこから来たのか」という議論には、本来以上の緊張感があるのが現実です。ちょうど物事の合流点になっているということです。
今日のホモ・サピエンスに教えてくれることという意味では、特別な答えは持っていませんが、もしその質問が広い意味での人間の進化のイメージと、私たちがその中でどこに位置するかについてということであれば、ホビットは完全な驚きでした。この1万2000年より前に人類がいたとは誰も思っていませんでした。ホビットは1万8000年前のものです。
脳の進化という点から言えば、私のチームが頭蓋から発見したことは、この生物の脳が本当に小さく、現代人の脳の3分の1しかないのですが、仕組みの異なる進んだ脳を持っていたということです。これは、脳の大きさと脳の構造のどちらが重要かという議論に、なにがしかの影響を与えます。一緒に発見された道具や火の跡は、この生物が小さいが、高度な脳を持っていたことを示しています。これは、いかに脳が高度に進化するかという可能性の幅について、より大きなイメージを提示しています。これから何が発見されるのか、誰にも分かりません。
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