目指すはケータイのポータル--ゲーム&SNS「モバゲータウン」の勝因は? - (page 4)

--モバゲータウンの中で提供される広告の種類と、売り上げの推移について教えてください。

 広告は、「純広」と呼ばれる、バナーやメールマガジン、属性を指定してのターゲティングメールで配信しています。あとはアフィリエイトです。純広とアフィリエイトの比率は公開していませんが、アフィリエイトの方が多くなっています。

 広告売り上げの推移については、今年の7〜9月で約4億円になりました。その前の4〜6月は1.7億だったので、3カ月で2倍強と急増しています。

 アフィリエイトの送客の部分は、ユーザーにモバゴールドとして還元しています。たとえば、ユーザーがあるサイトに登録したら100ゴールドを還元するといったようにです。

 モバゴールドは、基本的にすべてアバターに紐付いています。服だけでなく、自分の部屋を持つこともできるので、そちらの「ルームアバター」もあります。アバターで各自が個性を出すのがコミュニケーションのきっかけになっているんですね。

--物販などリアルビジネスとの連携を強めていく考えは?

 今年の4月から、「モバコレ」というモバイルコマースサイトを千趣会と始めていたんですが、11月に、モバゲータウンのサイト内にもリンクして、「モバコレでショッピングすると10%分のモバゴールドをプレゼント」という仕組みを取り入れました。そのあたりからリアルとのシナジーを作って行きたい。

 リアルとの親和性はもっと高くなってくでしょう。既にモバゲータウン内にリアルの地図があって、好きな街に自分の「部屋」を持てるようにしているんですが、そこではローカルな店舗情報や口コミも流せるようになっています。既にリクルートからも出稿をいただいていて、検索で店が出ると店舗のクーポンを配信するような仕組みも取り入れています。ローカル広告は時間はかかるでしょうが、市場は大きいと思うので今後も開拓していきたい。

--物販やリアル連携が入ってくると、「10代が7割」というユーザー構成は、購買力などの点で、今後課題になってくるのではないですか?

 確かに店舗の口コミ情報などは難しいかもしれませんね。それでも今の10代は、たとえばケータイの課金コンテンツについては上の世代よりもずっと活性化しています。ですから、アフィリエイトに関しては、10代ユーザーの価値が低いということはありません。また今後は、ゲームについても「アイテム課金」のような仕組みも入れていきたいと思っています。そうした仕組みであれば、ユーザー構成が10代中心でも売り上げは出ると思います。

--KDDIは「EZ GREE」をスタートさせ、mixiも携帯電話に完全対応しました。今後、この分野では競争も激化しそうですが、勝算は?

 確かに今年はmixiも脚光を浴びて、来年にかけては、今度は「ケータイSNSがどういう勢力図になるのか?」という年になるでしょう。しかし我々は会員数で大きくリードしていますし、話題になっていることも追い風だと思っています。

--今後のユーザー獲得目標や、サイトの方向性について教えてください。

 時期は定めていませんが、最初にスタートした時から1000万人を達成したいと考えています。

 また、今後のビジネスモデルについては、「ゲーム」と「SNS」は、モバゲータウンの両輪なので、クオリティ向上やラインナップ増加についてはしっかりやっていきたい。その上で、やはり「ケータイのポータル」を目指しています。ニュース、天気予報のような情報系と、検索エンジンについてもできれば自前で用意したい。そして、SNS要素の延長線上としては、「投稿系」を強化したい。インディーズミュージシャンが音楽を投稿したり、自作ゲームを公開できたりと、活性化しているコミュニケーションの上で、さらに一段高いレベルの表現ができる場についても考えていきたいと思っています。

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