そうですね。国内では米国に比べてWebサービスの連携が進んでいないところがありますが、正式版の公開をきっかけに広げていきたいです。日本独自のサービス連携も検討していますし、日本以外の各国でも独自にやっていくつもりです。
広くはブログサービス全般が競合となります。始まっていないサービスには比較できませんが、国内で大手のブログサービスを運営するライブドアさんもブログに(Vox同様の)新しいマーケットがあると見ているということですね。
それを理解するには今まで提供した製品の流れをお伝えすればいいかと思います。もともと、米Six Apartが2001年にMovable Type バージョン1を公開しました。2003年にはMovable Type バージョン2となり、トラックバック機能などを追加しました。当時は設備維持コストの問題もあり、サービスを提供していませんでしたが、この年にネオテニーの投資を受けて、ブログサービスTypePadの提供を開始しました。TypePadは現在、Amazonなどのサービスと連携するなど、高機能化の方向に進んでいます。
その後、2004年にMovable Type バージョン3をリリースします。ここでもっとも大きなことは商用対応です。それまでは個人の利用が中心でライセンス体系がしっかりしていなかった。今までは「150ドル払えば商用で利用できる」となっていたものを規模やユーザーにあわせたライセンス体系をとりました。これは後ほどでてくるEnterprise向けの製品体系にもつながります。
また、2004年には、米Six ApartがLiveJournalを買収しました。LiveJournalは日本では提供していませんが、米国では十代の若者を中心に650万人規模が参加しているブログサービスです。非常に大規模なシステムであり、またアクセス制御を始めとしたセキュリティ機能が充実しています。
このLiveJournalとTypePadの長所を融合したサービスがVoxです。ただし、サービスがVoxに統合されるわけではなく、Voxへ新しいテクノロジーを投入し、LiveJournalやTypePadにフィードバックしながら並行してサービスを続けていきます。たとえばVoxのデザインテンプレートについては、すでにLiveJournalで利用できるようになっています。
2006年現在では社外ウェブ向けで少数ユーザーでの利用に適したMovable Type 3.Xと、社内ウェブ向けで多数ユーザーに対応するほか他システムとの連携も考慮した「Movable Type Enterprise」をリリースしており、今後も企業向けのブログソフトウェアとして開発、提供を続けていきます。最近ではショッピングカート・プラグイン「QUICK CART」プロ版、およびECショップ用デザイン・テンプレートをワンパッケージとした「Movable Type EC Pack」も発売しています。
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