登録ID数150万を突破したガンホーが見る先は? - (page 3)

小川陽平(編集部)2006年09月21日 16時00分

--それでも、先ほどおっしゃっていたカジュアルユーザーの取り込みは必須です。これからのガンホーの戦略は何を目指しているのですか。

 会社として戦略は、現在3つを主な柱として進めています。

 1つめはカジュアル層といわれる人たちを取り込んで、会員数をさらに増やしていこうという、いわばポータル事業です。我々はテーマパーク事業と呼んでいますが、ガンホーゲームズという形で、ユーザー同士のコミュニティ、SNSといったものまで含めたサービスを提供し、会員数を極大化させたいと考えています。有料ユーザーへの分母をできる限り増やすということです。

 2つめはオリジナルタイトルの開発。オリジナルタイトルとしてはすでに「エミル・クロニクル・オンライン」が昨年の12月からサービスを開始していますが、売り上げやユーザー数は非常に順調に推移しています。弊社としては、「ラグナロクオンライン」に次ぐ稼ぎ頭に成長しつつあります。

 しかも、国産タイトルですから非常にきめ細やかなサービス展開が可能です。自社タイトルですから。これは大変うまくいっています。このようなきめ細やかなサービスをさらに推し進めることで、これまでオンラインゲームをプレイしたことがなかったコンシューマーゲームのユーザー層を取り込んでいきたいと考えています。そうすることで、ユーザー数は増加するでしょうし、自社タイトルですから利益率も向上が見込めます。

 最後となる3つめは、ワンソースマルチユースを推進することです。長期にわたってゲームを楽しんでくださっている人たちがこれだけいらっしゃる訳ですから、その方たちに好きな作品をいろいろな形のデバイスで楽しんでもらえるようにしていきたい。

 媒体は何でもかまわないと考えています。たとえば家庭用ゲーム機かもしれませんし、携帯電話かもしれません。出版でもかまわないでしょう。自分の好きなものに接触できる機会というものを増やして、顧客満足度を高めていきたいと思いますし、それが結果として収益にプラスになると考えています。

 ですので、短期的な意味ではきわめてシンプルな事業戦略だと思います。

--それでは、中、長期的な視点では?

 事業の全体的な意味では、グループ会社がもつコンテンツや会員、技術といった資産をマルチユースしていくことで、新たなビジネスモデルを作り出していきたいと考えています。

 たとえば比較的リアルであった製造販売といった事業を、デジタルコンテンツにすれば新たな収益モデルになるのではないか?・・・といったことですね。ブロッコリーやジー・モード、ゲームアーツといった各社のシナジー効果を最大限に発揮させたい。そういう意味では、中核となるサービスとしてガンホー・モードが提供するガンホーゲームズのオンライン遊園地(テーマパーク)があるといえます。

 また、次世代オンラインゲーム--Web 2.0のゲーム版という訳ではないですけれど(笑)、そういったものを作り出さないと考えています。さまざまなオンラインゲームがでてきて、多くの問題や課題が生まれています。そういった点をクリアして裾野を広げられるこができる作品を生み出さなければならない。これは作品単体ではなく、収益構造や運営なども含めた新たなビジネスモデルになるくらいのものでないといけないでしょう。そういった次のオンラインゲーム、次世代オンラインゲームの研究開発を進めていこうと考えています。

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