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「セキュリティ機能を強化」--開発者が語るThunderbird 2.0の“実像” - (page 2)
ほかには、新着メールのアラートの表示も変わる予定です。現在の1.5でもアラート機能はありますが、ただメールが来たということだけが表示されます。しかし、2.0では、メールの件名と送信者、メール本文の1行目が表示されるようになります。
また2.0では、「エコシステムの構築」も大きな話題です。これはThunderbird向けに拡張機能を開発するコミュニティや企業を広げるような取り組みを指します。
カレンダーは拡張機能として提供
――現在、Mozillaプロジェクトでは、「Sunbird」というカレンダーソフトのプロジェクトが進行していますが、SunbirdはThunderbirdと統合されることはあるのでしょうか。
Sunbirdは単体で稼働するカレンダーソフトです。同じようにカレンダー機能を提供する「Lightning」というプロジェクトが進行しています。このLigntningは、ThunderbirdやFirefoxにカレンダー機能を拡張機能として付け加えるというものです。Lightningは2007年春に正式版がリリースされる予定になっています。
――カレンダー機能が統合されることで、Microsoft OutlookのようにThunderbirdを利用できることを望んでいるユーザーもいるかと思いますが。
Thunderbirdプロジェクトでは、あくまでもメールクライアントにフォーカスしています。Outlookのようなアプリケーションを目指しているわけではありません。しかし、Lightningのカレンダー機能をThunderbirdに拡張機能として取り込むことで、Outlookに対抗できると考えています。
コミュニティが見守るセキュリティ
――Thuderbirdは、Firefoxと同じようにコミュニティに支えられています。
われわれのプロジェクトに対するコミュニティの皆さんの情熱に驚いています。
毎日のようにプロジェクトで開発活動をし、進行状況をチェックする「Contributer」が約100人いますが、さらに、ソフトのビルドをテストする人たちが数千人存在します。彼らは、毎晩のように出されるビルドをダウンロードしてテストするのが楽しみになっていたり、日課となっていたりします。
彼らの情熱によって、開発するわれわれの意欲もわいてきますし、彼らの情熱がほかの人たちに広がっていくことを楽しみにしています。
――個人でオープンソースのプロジェクトにかかわる動機はどんなところにあるのでしょうか。
オープンソースにかかわる個人の方々は、ユーザーにとってどんな機能がいいのか、何がいいのかを常に考えているわけです。これは、商用ソフトを開発する人たちにはない特徴だと言えると思います。
――ユーザーにとって何がいいのかを考えて開発するのは、商用ソフトでも同じではないのでしょうか。
ただ、商用ソフトを開発する場合では、最終的に企業として生き残るために利益を追う必要があります。オープンソースでは、利益を追うことに振り回されることがないわけです。
オープンソースは、セキュリティを強化し続けるうえでは特に大きな意義があります。というのは、オープンソースのセキュリティはコミュニティに参加する多くの人々に見守られているからです。
Mozillaプロジェクトでは、FirefoxやThunderbirdはMozillaコードをベースにしており、このMozillaコードの脆弱性や攻撃可能な個所をコミュニティが積極的に調べて、特定しています。実際、Mozillaプロジェクトには「Bug Bounty」という制度があります。これは、脆弱性やセキュリティバグを発見した人には500ドルの賞金を与えるというものです。またMozillaプロジェクトには、セキュリティバグなどを修正するための“SWATチーム”も存在しています。
――FirefoxとThunderbirdは、1.5になってから脆弱性などが発見されてからそのバグフィックス版がリリースされるまで期間が非常に短くなっているように感じます。
先ほど話した仕組みやコミュニティ参加者たちによるものです。加えて、1.5から搭載されている自動アップデート機能が有効に活用されていることも、影響していると思います。このようなことから、総じて、オープンソースのソフトはセキュリティ上の問題についての反応速度が速いと思います。これがオープンソースのひとつのメリットだと言えるでしょう。
ウェブメールとは共存していく
――Thunderbirdはこれまでにどれくらい利用されてきているのでしょうか。
累計のダウンロード数は約2600万件となっており、1.5は約1000万件となっています。
米国でも当然Thunderbirdの利用は広がっており、より高度な機能を求めるコンシューマーや企業ユーザーに普及しています。
また、日本でも多くのユーザーが使っていることを知って驚いています。日本のプロバイダー間でスパム対策を検討するグループの方々と話す機会があったのですが、彼らはスパム対策として、Outlook ExpressではなくThunderbirdを使うことを勧めているそうです。そのことを聞いたときはとてもエキサイティングに感じました。
――現在、ウェブメールのサービスを提供する企業が増えており、いずれメールクライアントは使われなくなってしまうのではないのでしょうか。
わたしたちは、ウェブメールとメールクライアントは相乗効果があると思っています。例えばGmailやYahoo Mailといったウェブメールに対して、Thunderbirdはウェブメールのアグリゲータという役割を果たしています。ウェブメールに対してThunderbird経由でアクセスすることができるからです。
確かに、自分が普段使っているPCとは別のPCからでもアクセスできるウェブメールは便利です。しかし、大量のメールを扱う必要がある場合は、メールクライアントの方が便利ですよね。また、メールクライアントのメリットはオフラインでもメールが読めるということにあります。世界中のありとあらゆる場所がオンラインになっているわけではないですから。そのように考えても、ウェブメールとメールクライアントは共存していた方がいいだろうと考えることができるでしょう。
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