あえて「ネットラジオ」を核に--音楽配信サービスに挑むリアルネットワークス - (page 2)

インタビュー:岩本有平(編集部) 文:吉澤亨史2006年07月12日 21時34分

--リアルミュージックを利用するためのRealPlayerは有料版と無料版があります。プレーヤーをユーザーが購入するというビジネスモデルは、今後も続けていきますか。

 プレーヤーについては、これからいろいろなモデルが出てくると思います。我々はとてもいいプレーヤーを持っていますが、現在はそこに載せるサービスの方が重要になってくると思います。たとえば音楽だけでなくゲームやビデオなどですね。

--米国では広告を表示することで無料で利用できるカジュアルゲームを提供しています。広告ベースの無料サービスの提供などは予定していますか。

 サービスに対するニーズは年齢層などによって違ってきますので、広告を中心にしたモデルを含めて、ビジネスモデルはたくさん出てくると思います。

--リアルミュージックのユーザーは、どのあたりの年齢層が多いのでしょうか?

 まだ開始して間もないのでデータを明らかにできる段階にはありませんが、RealPlayerのユーザーということでは30代から50代が9割を占めています。中でも30代から40代の男性が多いですね。これは、忙しいけどエンターテインメントを楽しみたいという世代のようです。この世代の人たちは忙しくて自分のプレイリストを作る時間もありませんので、ラジオのようなコンテンツも受け入れられたんだと思います。もちろん、若い層や女性にも楽しんでいただけるコンテンツも充実させていく計画です。

Douglas Kaplan氏

--ダウンロード型の音楽配信サービスの提供の予定はありますか。

 現在のところはストリーミングによるインターネットラジオサービスという内容になっていますが、今後パートナーが決まり次第、パートナーと提携してダウンロードサービスを追加する予定です。また、対応デバイスについても現在調整中で、近々発表できると思います。それに加えて、レーベルとのさらなる連携も考えています。

--リアルミュージックの今後の展開について教えてください。

 曲を通じて人やアーティストと知り合えるような、掲示板やブログ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)といったコミュニティ機能なども追加していき、総合音楽サービスにしていきたいと考えています。そのためには、現在いろいろと仕組みを考えているところです。

 今後はゲームや動画など、メニューの多様化を考えています。それに「Realポイント」の導入も考えています。コンテンツを利用するごとにポイントを貯めて、ゲームやコミュニケーションに使えるような仕組みです。

 現在はパソコン中心のサービスになっていますが、今後はパートナーと密な関係を持っていき、携帯電話やポータブルプレーヤーとの連携も深めていきたいと思っています。すでに、米国のMP3プレーヤーメーカー1社と提携の話が進んでいて、この会社のプレーヤーに当社のフォーマットを使った音楽の再生機能を搭載します。これは9月には正式に発表されるでしょう。

 また、私たちには(iTMS以外のオンラインストアで購入した、コピー保護のかかった楽曲をiPodで再生可能な技術である)「Harmony」がありますので、もちろんiPodとの連携も含みます。レーベルとのさらなる連携も考えています。

 このようにして、いろいろな年代、いろいろなライフスタイルのユーザーに、それぞれにとって最適な楽しみ方ができるような仕組みを提供していきたいと思っています。

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