ポストゲイツ時代を築く2人に聞く--マイクロソフトのこれから(後編)

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:矢倉美登里、緒方亮、福岡洋一2006年06月20日 08時00分

 ワシントン州レドモンド発--Gates氏は米国時間6月15日、2年後を目処にMicrosoftでのフルタイムの仕事を辞める意向を明らかにした。このとき同氏は、自身が担当してきた技術部門の統括を、最高技術責任者(CTO)である2人の人物に託すと述べた。

 そのうちの1人であるCraig Mundie氏は、長らくMicrosoftに勤めてきたベテラン。同氏はMicrosoftの研究部門を率いるほか、技術関連の対外的な広報活動も担当する。

 一方のRay Ozzie氏はより重要な役割を与えられた。Lotus Notesの生みの親でもあるOzzie氏は、Microsoftに入社して間もない身でありながら、チーフアーキテクトに就任する。同氏は自身の経営するGroove NetworksがMicrosoftに買収されたことを受け、2005年にMicrosoftに入社した。Ozzie氏はLiveサービスをはじめとする重要な取り組みを任されるなど、これまでもMicrosoftの命運を左右する業務をまかされてきた。

 Ozzies氏とMundie氏は米国時間6月15日、CNET News.comの取材に応じてくれた。これは、2人へのインタビューの内容をつづった記事の後編である(前編はこちら)。

--あなたとCraigは今後、どういう形で協力していくのでしょうか?2人の専門分野で重なるのはどの領域ですか?

Ozzie:わたしたちはこんなふうに見ています。通信技術や半導体をはじめあらゆる技術をまんべんなく保有し、そうした技術を基礎研究や先進開発、製品開発に、さらには顧客向けソリューション開発にも適用するようにすれば、非常に深い技術からエンドユーザーまで関わることになります。Craigとわたしが重なり合う領域については、Craigが技術を出発点としていて、実際にそうした分野に天賦の才と関心があり、開発までカバーしているのに対して、わたしは先進開発を出発点として顧客までをカバーしています。デスクトップアプリケーションやソリューション向けプラットフォームに取り組んできたわたしの経歴がシナジー効果を生み出す傾向があり、Craigとわたしは非常にうまく補完しあっていると思います。

 わたしたちに共通する傾向として、製品のインキュベーションを行うか、少なくともコンセプトから製品化を試みるということがあります。これらはいずれも先進開発分野の話で、それぞれのグループはこの分野で、良い意味でバッティングしてきましたが、こうした事実がわたしたちの共同作業のあり方を多少は示すことになると思います。

Mundie:この7年か8年、今の会社でわたしは技術領域とポリシー領域の両方で渉外関係の仕事をたくさんこなしてきました。これは、ある意味でBillがやってきた仕事でもあり、わたしは事実上こうした仕事をすべて引き継ぐことになります。だから、わたしはRayよりも対外的な仕事をすることになるでしょう。Rayは、パートナー企業のエコシステムおよび公式な企業ポリシーの問題に伴う一般的なコミュニケーションに関して、必要に応じて発言することになります。

--こうなってくると、ブログを書く時間が減ってしまいませんか?

Ozzie:おや、これはいけない。そうですね、時間の管理はとても興味深い問題です。実際この1週間にBillと何度か一緒に過ごし、今回の件についてより具体的な話をするようになって、Billがどういう時間の使い方をしているかについても話しました。Billがレビューや会議で何をしているか、それぞれの領域に相対的にどのくらいの時間を割り当てているかを、わたしたちは検討し確認しました。Billが電子メールでやっていることもです。Billが各グループとやり取りしている様子はこれまでも見てきましたが、具体的にどういう配分をしているかといったことが見えていたわけではありません。これは本当に興味深いことです。Billが現在やっていることの仕組みと理由が見えてくるし、会社がさらに前進して出合うかもしれない課題やチャンスへの取り組みを考えたとき、わたしとわたしの能力をどう活かすのが最適かということもわかってきます。Billとわたしは異なった場所からきた人間ですから、最適なやり方も違います。たぶんわたしは、引き継ぐにあたって本当に情熱を注いでいるいくつかの領域に、少しだけ余計に時間をかけて深く関わることになると思います。製品グループにより深く関わるでしょう。Billはいくつかの製品グループに一般的なレベルで長い時間を割いてきました。

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