中国におけるLinuxビジネスの現状(後編) - (page 2)

文:Ingrid Marson(ZDNet UK)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年04月27日 08時00分

--北京の企業もLinuxを使用しているのでしょうか?

 現在、多数の企業がLinuxを使用していますが、その規模は大きくありません。大半の企業はLinuxを、電子メール、ウェブサーバ、データベースのために使用しています。大規模な導入という点では、まだ事例がありません。

--デスクトップLinuxに移行した企業や政府機関がほとんどないのはなぜだと思いますか。

 Microsoftがデスクトップを独占しているからです。顧客がMicrosoft製品に慣れているため、Linuxを導入するのはまだ非常に困難です。企業はまだ、Linux環境は(Microsoft製品の環境とは)かなり異なっていると感じています。

 さらに、Linuxをサポートするデバイスや入手可能なアプリケーションが少ないという問題もあります。ベンダーが企業にLinuxでのソリューションを提供しても、その企業が使用しているプリンタがLinuxをサポートしていないといったことがかなりの頻度であります。また、多数の企業は、W3C標準に準拠していない、あるいは(Microsoftの)Internet Explorer専用のウェブサイトを構築してしまっています。企業がFirefoxを使用している場合、こういったウェブサイトは正しく表示できません。

 開発者が少ないことも問題です。Linuxを理解する開発者は不足しています。当センターは、こういった問題すべてに対処しようとしています。

--Linux開発者が不足しているのはなぜですか。この問題に対しては、どういった対応がとられているのでしょうか。

 残念なことに、中国の多くの大学では、授業のなかでWindows関連の開発についてしか教えていません。そこで教育省は2005年に、大学のカリキュラムにLinuxを含めるようにという方針を打ち出しました。

 各大学はこの問題を解決するために努力していますが、教師や教材が不足しており、現在は教材を開発し、教師を養成しているところです。2006年末までには、主な大学でLinux教育が可能になっていると思います。

--中国政府は、政府機関に中国産のソフトウェアのみを購入するよう義務づける支持を出していますが、なぜ企業はまだMicrosoft製品を使用しているのでしょうか。

 一般的に言って、中国政府はLinuxとオープンソースのソリューションを支持しています。われわれは膨大な人口を抱えた発展途上国であり、政府は国民のITリテラシーを向上させる方法としてオープンソースが適していると考えています。

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