--統合型メモリコントローラを採用したチップと、4wideのチップでは、処理性能はどのくらい違うのですか。
皆さん、メモリコントローラの話を聞きたいようですね。「microfusion」や「macrofusion」については、誰も質問してくれません。
メモリアクセスには2つの要点があります。外部メモリを参照する際のメモリ帯域幅とメモリレイテンシです。
メモリ帯域幅は、1クロック(サイクル)で扱うことのできるデータの量です。メモリレイテンシは、CPUが必要とするデータがL1/L2キャッシュにない場合、つまり、オンチップメモリに必要なデータがない場合、外部メモリを参照することで生じます。十分な並列性がない場合、CPUはアイドル状態つまり、外部メモリが修正されるまで、スリープ状態に入ります。
(統合型)メモリコントローラには大きな利点があります。ひとつはメモリにアクセスする際、外部メモリから高速にデータを取ってこれることです。通常はノースブリッジ経由で外部メモリにアクセスし、外部メモリ内のデータを、ノースブリッジ経由でフェッチしなくてはなりません。この場合、レイテンシははるかに長くなります。
今後やるべきことは、キャッシュにアクセスした際に、必要なデータが必ずそこにロードされているようにすることです。必要なデータがキャッシュにあれば、キャッシュにアクセスするための帯域幅は、メモリコントローラよりはるかに広くなります。メモリコントローラの場合は結局、外部メモリにアクセスしなければならないからです。
チップに大容量のキャッシュを搭載することができれば--そして、データなど、CPUが要求するすべての情報を、メモリからキャッシュにプリフェッチする仕組みを設け、キャッシュにアクセスした際に、必要なデータが事前に、余裕を持ってロードされているようにすれば、メモリコントローラよりも優れたソリューションを実現することができます。
(統合型メモリコントローラにも)利点はありますし、それを否定するつもりはありません。やり方はひとつではないということです。YonahとMeromのアーキテクチャバランスは、プロセッサの全体的な性能を高めます。メモリ帯域幅は重要な問題ではなくなるでしょう。確かに、新しいプロセッサのメモリ帯域幅は、競合プロセッサの帯域幅より、やや小さいものとなるかもしれません。しかしCPUから見れば、必要なデータの大半をキャッシュで調達できるようになるのです。
--Pentium MとYonahを、Pentium IIIに毛の生えたものと批判する人もいます。「イスラエル風のPentium III」というわけです。Pentium IIIの影響は色濃いのでしょうか。
旧世代のアーキテクチャを利用している部分もあれば、先進的な部分もあります。多少、(Pentium III)アーキテクチャと共通する部分もありますが、これまでにない機能もたくさん盛り込まれています。
アーキテクチャが変わらないのに、性能を向上させることができるのか、旧世代のアーキテクチャの特徴を引き継いでいるのかと問われれば、答えはイエスです。YonahはDothan(Pentium Mの開発コード名)の影響だけを受けているわけではありませんし、MeromもYonahの特徴だけを受け継いでいるわけではありません。しかし、これをPentium IIIアーキテクチャと呼ぶことは、Banias(Pentium Mの開発コード名)の開発に携わった何百人もの人々に対して、失礼だと思います。
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